長い間、廃盤となっていたジョージ・ハリスンのダーク・ホース時代のアルバムですが、ジョージは生前にリマスターしてリイシューする事を考えていて、敢えて廃盤にしていたらしいのです。それで、死後の2004年2月23日に「THE DARK HORSE YEARS 1976-1992」として箱で一気にダーク・ホースからリリースされました。内容は、1976年リリースのアルバム「THIRTY THREE & 1/3」、1979年リリースのアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」、1981年リリースのアルバム「SOMEWHERE IN ENGLAND(想いは果てなく〜母なるイングランド)」、1982年リリースのアルバム「GONE TROPPO」、1987年リリースのアルバム「CLOUD NINE」、1992年リリースのアルバム「LIVE IN JAPAN」(2枚組)の6作7枚に、「THE DARK HORSE YEARS 1976-1992」と云う名のDVDを加えた、全7作8枚組です。
それぞれのアルバムには以前に書いた通りボーナス・トラックも加えられていて、「LIVE IN JAPAN」は「SACD」仕様です。DVDには、「THIS SONG」、「CRACKERBOX PALANCE」、「FASTER」、「GOT MY MIND SET ON YOU」2種、「WHEN WE WAS FAB」、「THIS IS LOVE」の6曲7ヴァージョンのMVと、「LIVE IN JAPAN」から「CHEER DOWN」、「DEVIL'S RADIO」、「CLOUD 9」、「TAXMAN」の4曲と、映画「上海サプライズ」から「SHANGHAI SURPRISE」、「SOMEPLACE ELSE」、「HOTTEST GONG IN TOWN」の3曲が収録されています。DVDは当初はバラ売りはしないと云われていましたが、結局は単品でも発売されて、アルバムも6作全てがバラ売りされました。しかしながら、日本盤はCCCDだったので、コレは輸入盤で箱を買った方が賢明でした。DVDに収録された「LIVE IN JAPAN」の映像に関しては、4曲のみでは物足りないし、アップル時代の箱は2014年リリースなので、此の後に10年も待たされる事となり、そちらのDVDには「LIVE IN JAPAN」から「GIVE ME LOVE」の1曲しか収録されず、たったの5曲では困ったちゃんなのです。
それぞれのアルバムは、リリース当時は不評だった「GONE TROPPO」も含めて、全てが日本にも多く居るレコスケくんの様な「ジョージ・ファン」には堪らない傑作ばかりですし、MVはモンティ・パイソンの連中も沢山出ている「THIS SONG」や「CRACKERBOX PALANCE」は爆笑ものだし、スタントマンがバレバレな「GOT MY MIND SET ON YOU」とか、ゴドレイ&クレームが監督した「WHEN WE WAS FAB」も楽しいです。10年後に出た「アップル・イヤーズ」の箱も同じデザインで、二つを重ねて置く事が出来ますが、そちらの方は2014年まで進んでから詳しく語ります。此の「ダーク・ホース・イヤーズ」と2014年の「アップル・イヤーズ」に、遺作で2002年リリースのアルバム「BRAINWASHED」を加えて、後は「THE CONCERT FOR BANGLADESH」と「TRAVELING WILBURYS COLLECTION」でジョージの公式音源はほぼほぼ揃いますが、ダーク・ホース時代のベスト盤用の「CHEER DOWN」と「POOR LITTLE GIRL」と「COCKAMAMIE BUSINESS」の3曲は、当時はベスト盤でしか聴けず、2009年のベスト盤「LET IT ROLL」に「CHEER DOWN」は入ったのですが、他の2曲は聴けない状態です。
(小島イコ)