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2023年07月27日

「ポールの道」#082「WONDERWALL MUSIC」「ELECTRONIC SOUND」



ビートルズが解散したのは、ポール・マッカートニーによる脱退宣言があった1970年4月10日とされています。確かに、其れ以降は4人が揃って演奏する事はありませんでしたが、実際には1969年9月20日にジョン・レノンが脱退を宣言して、其れ以降はジョンは一切ビートルズとしてのレコーディングには参加しておりません。アルバム「ABBEY ROAD」をリリースする約1週間前に行われたミーティングで、ポールは其の後のビートルズのヴィジョンを熱く語ったものの、悉くジョンに却下され、遂にはジョンはポールに「お前はアホだな、契約が済むまで内密にしろと云われたけれど、俺はもうビートルズとは離婚するんだ」と云い放ったのでした。しかしながら、ジョンとジョージに関しては、既に1968年11月からビートルズ以外の活動が目立っておりました。まずは、ジョンが1968年11月29日にヨーコとの連名で「UNFINISHED MUSIC No.1:TWO VIRSINS」をトラックから(アップルとキャピトルは二人の全裸ジャケットが原因で発売を拒否)、1969年5月9日に「UNFINISHED MUSIC No.2:LIFE WITH THE LIONS」をザップル(アップルの前衛部門レーベル)から、1969年11月7日には「WEDDING ALBUM」をアップルから、そしてザ・プラスティック・オノ・バンドとして1969年12月12日には「LIVE PEACE IN TORONTO 1969」をアップルからリリースしていて、ザ・プラスティック・オノ・バンドとしては1969年から1970年にかけてシングルも3枚リリースしているのです。ドキュメンタリー「GET BACK」ではポールが「ジョンは、ビートルズとヨーコならば、ヨーコを選ぶ」と云って涙目になるシーンがありますが、そりゃあビートルズ本体以上のハイペースでシングルやアルバムを乱発していたのですから、ポールもそう考えますわな。

そしてジョージは、1968年11月1日にサントラ盤「WONDERWALL MUSIC(不思議の壁)」をアップルから、更には1969年5月9日には「ELECTRONIC SOUND(電子音楽の世界)」をザップルからリリースしています。「不思議の壁」はあくまでもサントラ盤ですが、1967年のポールが関わったサントラ盤「ふたりだけの窓」の様に作曲と一部演奏だけではなく、ジョージが主導し作曲し編曲し演奏にも関わっている本格的なソロ・アルバムなので、ポールのサントラ盤はなかった事にされていて、ジョージの「不思議の壁」が「ビートルズのメンバーによる初のソロアルバム」とされています。そして大問題作「電子音楽の世界」は、調律されていない初期のモーグ・シンセサイザーで音を出してそのまんまアルバムにしてしまった作品です。あたくしも、幾らビートルズやジョージ・ハリスンが好きでも「電子音楽の世界」は一生買わないだろうと思っておりましたが、2014年にリリースされたジョージのアップル時代の箱に「不思議の壁」は兎も角として「電子音楽の世界」までわざわざリマスターされて収録されていたので、結果的には「電子音楽の世界」も買ってしまう事となり、折角買ったのだから「電子音楽の世界」も聴いたのですが、まあ、二度と聴かないでしょう。しかしながら、此のアルバムの価値はジョージがこうしてモーグ・シンセサイザーで遊んで、其の結果としてアルバム「ABBEY ROAD」にモーグ・シンセサイザーを導入しようとなった事に尽きます。でもですね、ジョージが持ち込んだモーグ・シンセサイザーを、ポールはいとも簡単に演奏しちゃったのですよ。ポールは楽器の天才ですし、悪気は全くない天然バカボンなのですが、そう云うトコロがジョージにとっては癪に障るわけです。それにしても、此の「電子音楽の世界」を短期間でどうやったら「ABBEY ROAD」のキチンとした演奏になるのか、全くもって不思議です。

さて、本日7月27日は、元櫻坂46の渡邉理佐さんのお誕生日です。おめでとうございます。誕生日のインスタライブがあって、MTVでの櫻坂46のライヴ再放送(理佐さん在籍時、お誕生日のお手紙を送っていた菅井友香さんも在籍時)とバッティングしていました。天ちゃんが「おねえちゃん」と慕っているので、いつまでも可愛がってあげて下さいね。

(小島イコ)

posted by 栗 at 21:00| FAB4 | 更新情報をチェックする