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2023年06月01日

「ポールの道」#026「Another track of HELP !」「SONG FOR ELEANOR」「HELP ! SESSIONS」



1965年のビートルズは、2作目の主演映画のサントラ盤でもあるアルバム「HELP !」を8月6日にEMIパーロフォンからリリースするのですが、まずは先行シングルとして「TICKET TO RIDE / YES IT IS」を4月9日に、更には「HELP ! / I'M DOWN」を7月23日にリリースしております。映画に使われる「HELP !」と「TICKET TO RIDE」はアルバムにも収録されましたが、B面の「YES IT IS」と「I’M DOWN」は英国ではアルバムには未収録でした。さて、アルバムのセッション音源などは、例によって「ETERNAL GROOVES」から「HELP ! SESSIONS」とか「EMI STUDIO Sessions '64-'65」とかが出ておりますが、他のブートレグでも聴ける音源なので、面白味はありません。アルバムの曲順で別ミックスを並べたりしているのは初心者向けだし、延々とセッションを聴かされる「EMI STUDIO Sessions」も1枚ものでは中途半端です。正直に云って「ハーフオフィシャル盤」として出ている「ETERNAL GROOVES」盤は、価格も高いので、中古盤で似た様なブートレグを購入した方が宜しいかと存じます。ソレで、此の辺になって来ると持っているブートレグも数が多くなって来て、今回は「SECRET TRAX」の「SONG FOR ELEANOR」と「SWEET ZAPPLE」の「Another track of HELP !」の2作品を紹介します。どちらも2枚組で、当然の如く「ETERNAL GROOVES」盤と音源はダブっていますので、あたくしはうっかり「ETERNAL GROOVES」盤も買ってしまったのですけれど、いらないので売っちゃいました。と云うか、当時は「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の箱が出たので、「おや?次はHELP !か」と誤解してポチってしまい、ブートレグが送られて来て困惑してしまったのでした。

「SONG FOR ELEANOR」は2枚組で、1枚目が映画「HELP !」アセテイト盤音源が9曲、アウトテイクが11曲、BBC音源が8曲とおしゃべり1トラックの計28曲29トラックで、2枚目は映画「HELP !」のサントラ盤音源が7曲、シングルB面「YES IT IS」と「I’M DOWN」、そしてボツ音源だった「BAD BOY」のモノラル・ミックスが3曲、アウトテイクが6曲、そしてセッションが27テイクにエンディング入りで、計44トラックの全73トラック入りで、「IF YOU’VE GOT TROUBLE」や「THAT MEANS A LOT」と云ったボツ曲も、「YES IT IS」と「THAT MEANS A LOT」と「HELP !」のセッションなんかは嫌になる程に何回も演奏している様子も聴けます。特にポール作の「THAT MEANS A LOT」は酷い出来栄えで、こんな駄曲に20テイク以上も付き合ったジョンとジョージとリンゴは聖人ですよ。「Another track of HELP !」も2枚組で、1枚目はオリジナル・モノラル・ミックス14曲に始まり、シングルB面「YES IT IS」と「I’M DOWN」、ボツだった「BAD BOY」のモノラル・ミックス3曲も抑えて、更に各国盤や映画などの別ミックス14曲も加えた計31曲入りで、2枚目はCD化でサー・ジョージ・マーティンがリミックスする前のオリジナル・ステレオ・ミックス14曲に、編集盤「ROCK’N’ROLL MUSIC」と「LOVE SONGS」でサー・ジョージ・マーティンがリミックスした「HELP !」収録曲や、米国盤でアタマに「ジェームス・ボンドのテーマ」が入った「HELP !」などの別ミックスが16曲の計30曲入りの、全61曲入りです。こちらの方は基本的には別ミックスを集めたもので、発売当時にはモノラル・ミックスもオリジナル・ステレオ・ミックスもCDでは聴けなかったのですが、2009年の「THE BEATLES IN MONO」に収録された「HELP !」に2 in 1で収録されちゃったので普通に聴ける様にはなりましたが、他の別ミックスは集めるのが大変なので便利ではあります。

(小島イコ)

posted by 栗 at 21:00| FAB4 | 更新情報をチェックする