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2023年05月01日

「激動激震のスターダム」



2023年4月23日に、横浜アリーナで女子プロレス団体スターダムの興行がありました。横浜アリーナでの女子プロレスとしての興行は、20年ぶりと云う事でして、全9試合に第0試合が2試合もあったので、全11試合が行われました。女子プロレスの横浜アリーナと云えば、かつて1993年4月2日に全日本女子プロレスが主催したオールスター戦が行われて、日付越えしてしまい終電に間に合わず、多くの帰宅難民が出たなんて事もありました。それで、本編9試合の内、なんとまあ、5試合がタイトルマッチで、其の上、5試合全てがチャンピオンが負けてタイトルが移動してしまったのです。結果だけ聞くと些かやり過ぎな感じもありますが、色々と事情もあったのです。まずは、第4試合はタッグ王座の「ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合」で、MIRAIと壮麗亜美が勝ったのですが、相手が出戻りでフリーの高橋奈七永とプロレスリングEVEの優宇だったので、まあ、そろそろ返して欲しかったのでしょう。第5試合は6人タッグ王座の「アーティスト・オブ・スターダム選手権試合」で、プロミネンスの3人(世羅りさ、鈴季すず、柊くるみ)が急造トリオの「KAIRI、なつぽい、安納サオリ」に負けたのですが、フリーのKAIRIと安納サオリは、コレでスターダムへの継続参戦が決定したわけで、なんと翌日に鈴季すずがプロミネンスを脱退して、スターダムに継続参戦する事になったのです。まあ、スターダムとしては鈴季すずを一本釣りしたカタチになりました。

更に第6試合の白いベルト「ワンダー・オブ・スターダム選手権試合」は、白川未奈が勝ったのですけれど、相手の上谷沙弥は15回も防衛していたし、昨年に同カードでフェニックス・スプラッシュで誤って白川の顔面に直撃して大怪我をさせた遺恨もありました。第8試合の「IWGP女子選手権試合」は、岩谷麻優がメルセデス・モネに勝って、散々スターダムを利用していたタイトルを初めてスターダム所属選手が巻きました。第9試合のメインエベントは赤いベルト「ワールド・オブ・スターダム選手権試合」で、ジュリアを倒して中野たむが勝ったわけですけれど、何故、此のタイミングでたむが挑戦者に決まったのかと考えたら、タイトル移動しかなかったわけです。ジュリアとしては、別に赤いベルトを持っていなくともストーリー性が高い遺恨試合を得意としているので、逆に赤いベルトは足かせになっていたかもしれません。ジュリアは敗戦後のリング上で「コレが最高峰だ!」と宣言したので、明らかに「IWGP女子選手権」よりも上だと云ったわけです。ただ云えるのは、一日で5タイトルも移動してしまうスターダムは、一寸目を離したら追いつけない展開となりました。それにしても、女子プロレス団体は他にも沢山あるのに、「週刊プロレス」はスターダムばかり贔屓し過ぎです。ビッグマッチを打てるだけの体力は、確かにスターダムにしかないものの、ビッグマッチは必ず増刊号を出しちゃうんですから、他の女子プロレス団体では考えられません。

(小島イコ)

posted by 栗 at 22:00| KINASAI | 更新情報をチェックする