本日(6月18日)は、サー・ポール・マッカートニーの80回目のお誕生日です。おめでとうございます。其の80歳のポールは現在何をやっているのかと云うと、現役バリバリでスタジアム・コンサート・ツアーを敢行中なのです。「GOT BACK」と題されたツアーでは、相変わらずビートルズやウイングスやソロの名曲から毎回40曲近く3時間にも及ぶライヴをこなしているわけですよ。近年のアルバムを聴くと、流石に声の衰えは隠せず、一昨年(2020年)の「McCARTNEY V」に1曲だけ’90年代の録音曲が入っていて、其の落差に驚いたりもします。更に近年の写真を見ると、すっかり髪の色が薄くなっていて容貌も完全におじいちゃんです。資産が1千億円以上もあって、寝ていても印税もガッポガッポと入って来るので、別にロックダウン中に全編を宅録で楽器も歌も全部ひとりで演った新作を出すとか、過酷なライヴをやる必要など全くないわけですが、そこは天下のポールですから隠居なんぞ全く考えていないのでしょう。明後日はブライアン・ウィルソンも80歳になりますし、同世代のローリング・ストーンズもツアー中です。今や70代や80代のミュージシャンは珍しくありませんが、かつて「ドント・トラスト・オーバー・30」と謳われたロックがこんな未来になるとは思っていなかったでしょう。リンゴももうすぐ82歳だし、40歳で殺されたジョンの倍も生きているわけです。58歳で逝ったジョージも、まだまだ早すぎる死でした。現在のポールのライヴでは、ジョンやジョージが書いた曲も演奏されるのが定番で、今回は「GET BACK」の発売に合わせて映像のジョンとのバーチャル共演なんかもやらかしているみたいです。全てを背負って生き続けるポールは、今でも最強のロックンローラーです。お誕生日、おめでとう。
(小島イコ/姫川未亜)