空想格闘メタフィクション「千秋万歳」第１部第４章 RAIN SONG 其の一 太陽はひとりぼっち（上）

「千秋万歳」序章のつづきの

「千秋万歳」第１部第１章　LED−BOOKS　のつづきの

「千秋万歳」第１部第２章　LOST　AND　FOUND　のつづきの

「千秋万歳」第１部第３章　LOVE　MIX　のつづき

西暦　２０１５年　西豪寺スタジアム

小島イコの解説

「孤高の人」其れは大久保千秋ではなく、西豪寺エレナ様に与えるべき称号です。大久保千秋には、同期である高瀬リコ、藤田千秋、そして姫様がいます。リング上でファイトする時とは別に、新人時代から続く４人の絆は強いと云えるでしょう。西豪寺エレナ様には、姫様と云う幼馴染がいるものの、２０１０年組の結束には及ばない付き合い方をしていて、現在ではすっかりビジネス・パートナーとして仕事上での交流となっている様です。若くして世界有数の西豪寺グループのオーナーとなった西豪寺エレナ様には、取り巻きは数え切れない程いるものの、心を許せる相手は誰もいません。周りはイエスマンばかりで、仕事上の相談相手はいても、プライベートでは常にひとりぼっちなのです。西豪寺エレナ様は大久保千秋以上に謎の存在で、本編の主人公はもしかしたら大久保千秋ではなく西豪寺エレナ様かもしれません。「KNKGP１」でも「シングルトーナメント」でも、負けて魅せたのは西豪寺エレナ様でした。怪優開眼となった役なので思い入れもあり、自然に筆ものってエレナ様が勝手に動いてくれるので、自ずと目立つわけです。「千秋万歳」とのタイトルは「永遠」という意味で、大久保千秋を指すのではありませんが、主役は大久保千秋で無敵で最強として登場させています。プロレスとは勝つ者よりも負ける者の方が強い場合がある特殊な競技です。勝つ方なんて技をきめればいいわけで、それを上手く魅せて負ける方が難しいのです。ゆえに、大久保千秋に負け続けるエレナ様を描くのは楽しく、次はどんな手を使って負けっぷりを魅せようかと考えています。（小島イコ・談）

西暦　２０１５年　夜中の公園

大久保千秋と高瀬リコの会話

リコ：なんだよ、こんな所に呼び出して、二人だけで野試合でもやろうって云うのか？

千秋：いや、美月さんからの伝言だよ。リコとも組みたいってさ。

リコ：冗談じゃない！正気で云っているのか！？

千秋：これからは軍団抗争が中心になるから、一匹狼じゃ試合に出れないよ。私もいるし、「土下座軍団」に入るわけにはいかないだろう？

リコ：あたしは千秋とシングルでやりたいんだ！

千秋：其の為にも試合に出なきゃ。私はチャンピオンになったんだから、挑戦権を得る為には試合を重ねなきゃダメだよ。私だってリコと真剣勝負がしたいんだよ。まずは「美月組」に入らなきゃ。

リコ：いや、あたしは「マジメ軍」に正式加入する事にしたんだ。プライベートは兎も角、千秋とはリング上では反対側に居たいからね。

千秋：「マジメ軍」って、リコには無理だろう。やっぱり「美月組」に入るべきだよ。同門対決だって出来るよ。

リコ：もう決めた事だからね。ハッキリ云うけど千秋と組む位なら、あたしは西豪寺エレナと組むよ。シングルで戦って、エレナの懐の深さに完敗したからね。負けた者にしか見えない世界もある。千秋との対戦も見たけど、エレナの壮絶な負けっぷりにはマイッタよ。あれぞプロレスラーって感服したね。学ぶべき点が多いよ。

千秋：リコとなら新設されるタッグのベルトも獲れそうなんだけどね。それから、私と美月さんは近い内に「プロレスリング・エレナ」から独立する予定なんだ。別団体となれば、なかなかリコとは戦えないよ。ベルトは無敗で返上するしね。

リコ：なかなかしたたかじゃないか。別団体になった方が盛り上がっていいよ。あたしは千秋とは組まない。千秋に土を付けなきゃタッグは無理なんだよ。

千秋：そうか。残念だよ。

リコ：独立とかしゃべってしまって、大丈夫なのか？

千秋：リコが口が固いって事は知っているよ。それに策士じゃないか。「KNKGP１」での暗躍は見事だったよ。独立の話は、もう西豪寺エレナにはお見通しだろう。実際に対戦したから分かるけど、やっぱりエレナは恐ろしいよ。私が「無敗」とか「無敵」とか呼ばれているけれど、本当に「無敵」なのは西豪寺エレナさ。

リコ：そうだね。いずれお互いにエレナが敵になるかもしれないな。嫌でも共闘しなくちゃ、エレナには勝てないかもね。

以下、「太陽はひとりぼっち（下）」につづく

DEMO　２０１４−７−２５

MIX　２０１９−２−１４

（小島イコ/姫川未亜）

空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第１部第４章　RAIN　SONG

其の一　太陽はひとりぼっち　（下）


MOVING　！

ＨＥＹ　ＥＶＥＲＹＢＯＤＹ　ＯＵＴ　ＴＨＥＲＥ　！

ＯＮ　２０１９・３・Ｘ

ＳＩＮＣＥ　２０１３・１１・７

ＤＥ　ＩＭＡＧＥＮ ＮＯ ＩＮＣ． Ａ ＣＡＤＡ＊＊＊　ＣＯＮ　ＡＭＯＲ