CSのMTVで、昼間に今週は「1990年代の洋楽PVを延々と1時間も流すだけ」と云うお気楽な番組をやっているので、毎日録画して自社CMをカットしてPVだけにしてDVDやBDに焼いて、BGMとして流しています。1990年代と云うと、もう20年前であってですね、懐かしいのです。でも、そんな甘酸っぱい懐かしさなんて、10年前には無かったのです。2002年頃だったか、みんなでカラオケに行って、まややが「懐かしいの歌っちゃうぞ!」とか云って、カーディガンズの「カーニバル」を歌って、みんな大受けしていたのだけど、僕は「なんで、カーディガンズが懐かしいの?こんなの昨日、流行したばっかの曲じゃん!」と思って困惑してしまったのです。考えてみれば、もう僕は不惑を超えていて、当時は二十歳前後の「ともだち連中」と、何故か「ともだち」になっていたのでした。そりゃ、みんなにとっては「ビタースィートな10代の想い出」が詰まっていたのでしょう。僕にとっては「30代の社会人の苦闘の日々」って思い出したくもない苦いもんしか思い起こさせない曲だったよ。10年前は、そうだったんです。
1990年代中頃から、あるバンドをやっていたのだけど、結成当時、ヴォーカルの女の子は19歳で、キーボードの男の子は27歳で、僕は制作と作詞作曲編曲と全楽器と声を担当で36歳だった。「ELTみたいだね」とふたりが云うから「そりゃ、ELPでしょ?」と返したら、って噺は大昔に書いた気がします。練習は僕の自宅でも泊り込みでやったりした。当時は、2LDKにひとりで住んでいたのです。独身貴族で、お金を持ってましたからね。そのうち、メムバーでない「ヴォーカルの女の子のともだち」とかもやって来て、若いコのたまり場みたいになっちゃったっけナァ。歌はそんなに上手くなかったけど、無茶苦茶「声に魅力がある」女の子で、勿論もう働いていて、性格も抜群に好くって、何よりも「17歳」も年上の僕を「対等なともだち」として接してくれた。バンド名も、ソノコの愛称で「みゆきてぃー」って命名した。
レコードが聴きたいって云うから、ポータブル・プレイヤーと好きだと云うマライア・キャリーのアナログ盤をお誕生日にあげたら「レコードって両面、聴けるんですか?」とか真顔で云われた。ジョンの「スタンド・バイ・ミー」を元にしたアレンジでカヴァーしようって云ったら、「そんなのダメ!あたしは、ベン・E・なんとかさんの方がいい!なんかほんわかしていて、スキ!」とかぬかしやがるので、「むむむっ、コノ小娘、オリジナルを知っているとは侮れん!」なんて思ったら、何の事はない、映画の「スタンド・バイ・ミー」を見て初めて聴いたからだった。一緒にラジオを聴いていて、ある曲が流れたので「コレは、ポリスってバンドの曲だよ」って教えたら、怒って「違いますよ!パフなんとかっていうひとの最新のヒット曲で、あたしのイチバンのお気に入りなんです。ウソばっか、教えないでよ。未亜さんは、いっぱい洋楽を聴いちゃったから、すぐにそんなふうに考えて、かわいそう!」って泣きそうになった。
其れで、困惑した僕はレコファンに行って「えっと、最近ポリスの「見つめていたい」をサンプリングした曲をラジオで聴いて気に入ったのですけど・・・。」と店員さんに尋ねたら「パフ・ダディかなぁ。アルバムには未だ入ってないけどCDシングルならありますよ。試聴します?」と丁寧に応対してくれた。「いえ、たぶん間違いなくコレだと思うんで、買います!」と返したら、店員さんは「お客さんが、こんなまだ輸入盤しかない最新全米R&Bヒットを買うなんて、珍しいですね・・・いつも大昔のリイシューとか買われているのに・・・」と笑った。女の子にあげたら「未亜さん、コレ!コノ曲!ほらね、あたしが教えた通りポリスなんて変な名前のバンドじゃなかったでしょ?でも、やっぱり未亜さんって何でも知っていて見つけてくれるんだナァ」と云って笑った。
他にも「どうしても欲しい新人の歌手がいるので、探してよ」とか云われて、必死で探して「AIKO」とか云う大阪のインディーズの女の子のミニアルバムを買って「コレだと思うんだけど・・・」と渡したら、「スゴイ!コレ!よく見つけましたね。こんなのどこにも売ってないのに、スゴイ!」って大はしゃぎした。「ヒッキーの初ライヴに行けるんですよ!」って騒いでいるから、「じゃあ、Tシャツでも買って来てよ。お金は払うから」って頼んだら、「いつもお世話になっているから、プレゼントします!」って買って来てプレゼントしてくれた。「ものすごく、並んだんですよ!大切にして下さいね」と、笑って云った。冗談でキティちゃんが好きと云ったら、大きなキティちゃんの目覚まし時計をプレゼントしてくれた。今でも、其のキティちゃんは僕を起こしてくれている。
そう云えば、僕に「物凄く可愛い女の子の新人さんを、あたし見つけたんですよ!うちやまりなって名前で、なんかのCMで見たんだけど、絶対に売れます!未亜さんも注目して下さいね!」と熱っぽく語ったのも、彼女だったっけ。其れで、僕は「うちやまりな」って名前の女の子を知って・・・。其れからの噺は、もう全部此処に書いてある。まややと出逢ったのだって、アノコが僕に「aiko」を教えてくれたのがキッカケだと云えるでしょう。僕はアノコが好きな「AIKO」と云う女の子をアノコが頼むからメジャー・デビュー前から見ていたら、林檎ちゃんがおともだちとして出て来ちゃったわけなのですよ。僕の1990年代は、もう立派な大人のサラリーマンの30代だった。でも、今、アノ頃の洋楽ヒットを聴くと、切なくって泣きそうになっちゃうんだ。アノコやまややとおんなじ青春を生きたみたいに、20歳も年齢差があるのに、僕はそう思ってしまう。きっと、みんなが僕をタイムスリップさせてくれたんだろう。
僕は、もういちど、おんなじ事をやっているよ。みゆきてぃー、まやや、そして多くのガールフレンドたちよ。君たちは、もう大人になってもいいんだよ。みんな結婚したし、ママになったコだって沢山いる。アノ頃だって「其れは、僕の役目なんだ。僕は永遠に変わらない。このまんまだよ。」って云ったじゃないか。片瀬那奈ちゃんの初舞台「僕たちが好きだった革命」大阪千秋楽に遠足した帰り道で、うっかり数年振りに逢ったら「ホントに、未亜さんって、10年前と全然変わってないんですね!妖怪だって、ホントだったんだ・・・。だから、あたし、もう子供もいるんだからその呼び方はやめてくださいよ!」って呆れたじゃん。僕は覚えている。君もアノコもみんなみんな、話してくれた事もキミたちの青春の歴史を、ぜんぶをもらったじゃないか。だから、ずっと千秋万歳にこんな子供でいる莫迦とは「変なともだち」って思っていてくれるだけで、僕は幸せです。ガールフレンドたちよ、本当にありがとう。僕は、元気です。ずっと、此処にいるよ。何か困ったら、手紙でも書いてくれれば、それで充分です。
「THANX 4 MY GIRL FRIENDS !」 (姫川未亜)
【「千秋万歳」まえがき INDEX】(2013年8月14日〜)
1.「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」INDEX 完全版
2.「怪優・片瀬那奈・進化論」外伝「大久保千秋は、謎のひと」
3.「時は来た!それだけだ・・・(仮題)」への助走
4.「時は来た!それだけだ・・・(仮題)」の正式名称決定!
5.「千秋万歳」制作現場に潜入リポート!でも、未亜たんは「愛の誘惑」に堕ちたでゴンスの巻
6.「千秋万歳」主要キャスト発表会に潜入!しかし、未亜たんはイコちゃん&ルナちゃんに翻弄されたザンスの巻
7.「千秋万歳」を、いつまでも刮目して待っていてね。
8.「那奈ヲタ今昔物語」#01
9.「すべての片瀬那奈ちゃんファンよ、時は来た!」
10.「Hey Marlene」
11.「那奈ヲタ今昔物語」#02「10年越しで出逢えたシスターへ」
12.「千秋万歳」は、既に始まっているのか?
13.「筒井先生の心痛が、少しだけ理解できました。」
14.「MW-777」
15.「WHO ARE YOU ?」
16.「ダウンタウンにくりだそう!」
17.「ROCKよ、今夜もありがとう」
18.「Tears Dry on Their Own」が「千秋万歳」主題歌に決定!
19.「美しい人たちよ!」
20.「あっちなっち 2013」
21.「シュガータウンは恋の町」
22.「知ってるアノコ 2013」
「MW-777」(小島藺子/姫川未亜/鳴海ルナ)
(小島藺子/姫川未亜)
空想格闘メタフィクション
「千秋万歳」
COMING SOON !
「千秋万歳」
COMING SOON !
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