テレ朝チャンネル1 10:50〜11:50
ACT 3 「妻が離婚届けに判を押す時・・・」
片瀬那奈 as 豊原みどり
片瀬那奈ちゃんが2005年に挑まれた大人気ドラマ「熟年離婚」は、何故かソフト化されておらず「レア作品」となっておりましたが、8年後の2013年にCSで怒涛の再放送が続行されております。もう、あたくしも「わけがわからん!」状態ですけど、世の中には「the diary of nana katase 片瀬那奈全記録」と云う酔狂なトコがありましてですね、今回は何度目の再放送の第何話であるとかを頼まれもしないのに遺す事に「命懸け!」なバカがおります。するってえと、本日は「ACT 3 再々再放送」って事らしいですな。第三話と云ったら、片瀬那奈ちゃん演じる「みどりちゃん」が「妊娠2ヶ月!」と発覚する、ココ的には最重要な「魔喜」でゴンス。アレレ?変換ミスしちゃったぞ。「巻」と打った心算だったのにあたくしったら、いつの間にか「まき」の変換最上位を「魔喜」に設定していたのかしらん。
ドラマ「熟年離婚」で描かれているトンデモな物語は、あくまでも主人公である渡哲也さん演じる「豊原幸太郎」の視点で、ナレーションも幸太郎が担当しているから面白いのよさ。つまり、全てが「豊原幸太郎が見たり感じた世界」であって、事実とは違っているのでしょう。芥川の小説「藪の中」(黒澤の名作映画「羅生門」の原作)みたいに、例えば「洋子の視点」とか「みどりの視点」とかになったなら、全く別の物語になるでしょう。ゆえに、洋子は「悪妻」みたいに感じられたり、子供たちも「イチバン幸太郎がめんこいと思っている長女の律子」は優しいしっかり者なのに夫が浮気しちゃうし、長男の俊介と次女のみどりちゃんは「甘ちゃん」な行動を繰り返すのです。幸太郎が登場しない場面は「幸太郎が勝手に抱いた妄想」なのだ。「きっと、洋子は会社でこんな事をしている」とか「みどりは、ろくでもない男と二人の時はこんな風にしている」とか、空想しているのよさ。幸太郎が登場する場面も、全てが「私は、なんちゃらかんちゃら」と解説しています。よーするに、コレは「豊原幸太郎の日記」なのです。
そう考えないと、例えば35年も連れ添った妻が「あたしも自由になりたいんです!あなたは、此の家の為に何をして来たって云うんですか?」なんぞと云うわけがない。視聴者は幸太郎が「オレは此の家の為に、35年間、何もして来なかったと云うのか?」と返答するのを、真っ当過ぎる正論だと受け取るしかありません。だって、幸太郎が家庭を妻に任せてはいたものの、妻も3人の子供たちも「幸太郎の稼ぎで養って来た」のですよ。其れに対して、妻の洋子や長男の俊介や末娘のみどりちゃんの物言いが酷過ぎます。ナンダカンダ云って、問題を解決して行く努力をして丸く収めてしまうのは全部が「幸太郎お父さん」なのよさ。そんな時の母親である洋子の対応の好い加減さが目立ち、バカ息子&バカ娘も「オヤジは変わったよ」とか「お父さん、ありがとう!」なんぞと「幸太郎派」へと転じていくのです。ラストも幸太郎の回想で幕を閉じるわけで、他の家族たちや関連人物が本当はどう思っていたのかは不明です。其れと同じ理由で、ドラマ版「闇金ウシジマくん」の主人公は、片瀬那奈ちゃんが演じナレーションも担当された「大久保千秋」と断言して宜しいでしょう。
ACT 3 本放送:2005年10月27日
ACT 3 再放送:2013年9月9日
ACT 3 再々放送:2013年10月1日
「熟年離婚」INDEX
(小島藺子)