テレ朝チャンネル1 9:50〜11:50
ACT 1 「夫婦の危機、それは定年から始まった…」
ACT 2 「妻の復讐家庭内別居の始まり」
片瀬那奈 as 豊原みどり
片瀬那奈ちゃんが御出演された連続ドラマは、ほとんど全てが「ヴィデオ、DVD、BD」の何れかでソフト化されており、見逃した作品でも鑑賞する事は可能です。ところが、連続ドラマでは重要な3作品が何故かソフト化されずにおります。其れは、2000年の「FLY 航空学園グラフィティ」と、2001年の「2001年のおとこ運」、そして、2005年の「熟年離婚」です。「FLY 航空学園グラフィティ」は天下の日本放送協会サマが制作されアーカイヴにも遺されているらしいのですが、何ゆえソフト化されていないのかが全く理解不能です。せめて、BSでの再放送を強く望みます。何だったら、CSのどっかの局で買っちゃってよ。スカパー!では普通にNHKの旧作ドラマが色んなチャンネルで流れていますからね。「2001年のおとこ運」は、あたくしが片瀬那奈ちゃんの「第一期女優時代」で最も好きなドラマですが、在る事情でソフト化どころか再放送も望めなくなった「封印作品」です。此の世紀の怪作ドラマである「熟年離婚」がソフト化されないのは、高視聴率であった事実からも不可思議ですが、石原プロとしてソフト化には慎重との姿勢なのでしょう。テレ朝としてはDVDもすぐさま発売してガッポリ!と目論んでいたと思われます。ソフト化されないどころか、関東では地上波での再放送すら一度も行われず、♪あれから、八年♪、満を持して「2005年の片瀬那奈ちゃん」が蘇ります!
全9話を毎週月曜日に、基本的には2話ずつ(次週のみ単発)5週間で再放送する予定となっておりますが、「一週間で一挙放送!」とかやらかされたら眩暈がする事が確実の「トンデモ展開ドラマ」でございます。いえ、本日に第1話と第2話を連続放送されただけで、初めて御覧になられる方々は呆然となるでしょう。物語は「豊原家」にまつわるホームドラマで、結婚して35年、厳格な父親と貞淑な母親と既に成人した一男二女と、何不自由もない理想の家族と思える「豊原家」は、長女は嫁いでおり既に孫もいて、長男は司法試験を目指して浪人の身で、片瀬那奈ちゃん演じる「豊原みどり」は末娘で23歳のOLです。其れが、父親「幸太郎」の定年退職をキッカケにドミノ倒しの如く崩れていくのでした。いえ、ドラマなのですから問題が起こって解決していくのは定石なのだけど、「熟年離婚」のトラブルは同時多発で絡み合い、ドンドンと救い様が無い方向へと転げ落ちていくのです。家長として問題解決に孤軍奮闘する「幸太郎」の行動はことごとく裏目に出て、更に状況を悪化させていきます。片瀬那奈ちゃん目当てでなくとも、必見!の爆笑必須の怪作ドラマでございます。注目の再放送は、次回予告を除いた「本編の完全ノーカット版」だと思われます。本放送時には未だ地上波アナログ放送をヴィデオで録画していて、後にDVDに落としたものしか所有しておりませんので、画質が格段に向上し画面サイズが横に広がっただけでも感動ものです。
第1話は、豊原幸太郎(渡哲也さん)の定年退職の朝から始まります。豪邸で、途轍もなく豪勢なご馳走を準備している妻の洋子(松坂慶子さん)。しかし、長男の俊介(徳重聡くん)と次女のみどり(片瀬那奈ちゃん)は、嫁いだ長女である小林律子(高島礼子さん)と夫である善三(西村雅彦さん)の家へ集まり「お母さんが熟年離婚を考えているらしいから、止めよう!」と相談するのでした。何も知らない幸太郎は、再就職の誘いを断り、今まで支えてくれた妻と悠々自適の生活を勝手に思い描いていて、世界旅行を計画し、英会話教室へ入学の申し込みをし、高価な指輪まで買って、感謝を告げようとサプライズを考えておりました。ところが、幸太郎は指輪を買ったデパートで偶然にも息子の俊介が7歳も年上の子連れの恋人・聡美(桜井幸子さん)と仲睦まじくしている模様を目撃!更に、聡美は未だ離婚調停中であり、よーするに俊介は不倫しているのでした。一方、小林家も会社の資金繰りに退職金を当てにしていて、みどりは恋人である敦也と逢っているものの、あっちゃんは売れないミュージシャンで「ヒモ同然」と思われます。洋子は既に離婚を前提にした別居を決意し、マンションや仕事先まで探しておりました。みどりは、偶然にも高級輸入雑貨店の有名社長と親しげにしている母・洋子を目撃!「お母さんと、ただならぬ関係?」と疑惑を持ちます。そして、幸太郎の退職お祝いパーティーが行われるのです。
豪華絢爛な料理(「こんなに美味しい消え物は初めて」片瀬那奈ちゃん談)を前にして、和気藹々と始まりサプライズでの世界旅行を大発表!ところが、洋子は全く喜ばず「私にも予定がありますから」なんぞと云い出します。幸太郎は、すっかり俊介の事かと思い洋子に問い詰めますが完全なる的外れで、最悪のタイミングで俊介が帰宅!幸太郎の怒りの平手打ちが炸裂し、洋子はいきなりだナァと「離婚させて欲しいんです!」と宣言!必殺の泣き芸で情に訴えると、怒り狂った幸太郎はテーブルの豪華な料理をひっくり返してしまい、楽しいはずの家族パーティーは粉々に打ち砕かれてしまいます。何故こんな事になってしまったのか全く理解出来ない幸太郎が呆然となって、次回へつづく。アノですね、ココまでが第1話で次から次へ起きるのですよ。星なら「俺、こんな急展開についていけねえよ!」と自転車で逃亡するでしょう。いえいえ、こんなもんで驚いていたのでは全9話に付き合う事は出来ません。第2話になりますと、早くも「家庭内別居」を申し出て実行する洋子は、家事も拒否して徹底抗戦の構えです。もう就職も決まり引越しの準備もチャクチャクと進めており、やっぱり、洋子は「おっかねえ女」だナァ。家事に挑戦する幸太郎はズッコケ丸出しです。
例によって子供たちは「離婚回避の相談」をして、何故かみどりはピクルスをガツガツと食べております。幸太郎が慣れない家事に奮闘していると、善三がやって来て御機嫌伺いをしますが、狙いは退職金からの資金融資です。洋子の為に手料理を準備して、幸太郎は「離婚したい理由」を問いただすのですが、洋子の決意は固く全く相手にされません。みどりに「お父さんが一方的だから嫌われちゃったんじゃない?反省した方がいいよ」と諭されます。みどりは敦也に何か大事な話があるようで、二人で洋子を探って、当然乍ら洋子に見つかり恋人紹介となります。「あたしとおにいちゃんが結婚するまで、家にいてくれないかな?」と洋子に頼むみどり。うっかり気を利かせたつもりで「みどりの部屋」を掃除して、敦也とのラヴラヴ写真を発見してしまう幸太郎。家族関係修復の為に「久しぶりに家族でバーベキューでもするか」と考える幸太郎は、みどりに部屋を掃除した事を激しく叱責されションボリ。実は、俊介と聡美を結婚させる事で両親の離婚を食い止めようと画策し、幸太郎をハブにして聡美を囲んでの食事会を行っていたのでした。其処へ、絶妙のタイミングで幸太郎が乱入!除け者にされた怒りから、聡美に厳しいコトノハ(要約すると「ウチの大切な息子を、離婚も成立していない水商売の子連れ年上女なんぞにはやれん!息子をたぶらかすのはやめてくれ!」)を投げつけ、完全に孤立無援へと追い込まれる幸太郎!
ひとりぽっちで英会話教室に通う幸太郎は、バツイチの美人講師・沙織(真中瞳さん)にモーレツなアタックを受け、洋子は高校時代の同級生で勤務先の社長・佐竹(ウルトラマン80・長谷川初範さん)とまんざらでもない様子です。聡美の離婚が成立して、ひとつ問題が解決した様に思えますが、みどりは気分が悪いと早退し洗面所に駆け込み嘔吐し、玄関に放り出されていたみどりのバックからコンドームを発見した幸太郎は激しく責めると、みどりに「勝手に見たの?サイテー!子供にだってプライバシーはあるのよ!」と逆襲され、洋子にもたしなめられ離婚の条件を突きつけられ、怒りに任せて幸太郎は「明日にでも離婚届を持って来い!いつでも判子を押してやる!」と啖呵を切ってしまいます。それで、次回へつづく、なのだけど、もう第2話で「みどりが妊娠している!」のはバレバレです。一体、何の為のコンドームだったのかしらん。崩壊に継ぐ崩壊が重なり、たったの2話で問題は山積み状態です。コレだけの難題を如何に幸太郎は解決していくのか?なんて考えていたら全9話を見続ける事など不可能です。まだまだ、こんなもんじゃないのよさ。もっともっと、大きなトラブルが幸太郎を襲い続けるのです。やはり「熟年離婚」は面白い!CSなのにダビング10回可能ですし、リピート放送も決定しております。スカパー!二週間無料サービスもありますよ。是非、皆さまも御覧になって下さい。ズバリ云って、
「ショムニ 2013」の10万光年倍は面白いドラマです。
ACT 1 本放送:2005年10月13日
ACT 2 本放送:2005年10月20日
「熟年離婚」INDEX
(小島藺子)