TBSチャンネル1 13:00〜14:00
片瀬那奈 as 大久保千秋
片瀬那奈ちゃんが「大久保千秋(壱号)」を演じられたドラマ「闇金ウシジマくん」は、五日間で一挙再放送!なので、物語は佳境となり明日が最終回です。原作には登場しないドラマ版オリジナル・キャラクターである「大久保千秋(壱号)」は、ストーリー自体が原作の様々なエピソードに沿って展開されていくので、オリジナル設定に加えて原作での多くのキャラクターを内包してもいます。「大久保千秋(壱号)」が原作でのセリフや役割を奪ってしまったのは「ウシジマくん、柄崎、高田、マサル、芳則、輝稀、リサ、etc.」と尋常ではない数に及びますので、多重人格としか思えない支離滅裂な言動となるのですよ。視聴者目線でナレーションも担当しながら、津軽弁で話す「元・AV女優」で、優しい心の持ち主なのに、債務者に裏切られ徐々に「闇金」に染まっていったのは分かります。でも「闇金開眼!」した後でも「大久保千秋(壱号)」は「やっぱり、間違ってる!」なんぞと思っていて、日頃はスットコドッコイで過剰なギャグ要員(此の辺は映画版の「大久保千秋(弐号)」と同じ)でもあるのに、いざとなると「ウシジマくん」以上に非情なセリフをぶちかまし債務者を追い込みます。こんな「ミステリアスな難役」を見事に演じきった片瀬那奈ちゃんは、本当にスゴイのだ!(杏奈声で)。
板橋、沼田、鷺崎社長などの個性的な脇役が「原作そっくり」なのも見どころのひとつですが、単にコスプレしているだけではなく演技も徹底しており、部屋のディティールも念入りに再現しています。「大久保千秋(壱号)」の「ジキルとハイド」ぶりにも磨きが掛かります。沼田に「刃物どけな!ぶっ殺すよ!」と立ち向かったり、仁王立ちして芳則を恫喝したり、芳則を見捨てて「ウシジマくん」と一緒に鼻で笑ったり、と非情な「闇金チアキちゃん」方向へのベクトルも上がり捲くっているのに、它貫のゴルフ拷問シーンなどでは過剰なドタバタ演技で笑いを誘い、感情の起伏も激し過ぎます。てか、折れたホストの歯を拾って元に戻そうとする「大久保千秋(壱号)」の行動って、本人は親切心なのでしょうけど、正に「傷口に塩を塗る」拷問ではありませんか。物語は、原作の「フーゾクくん」篇と「サラリーマンくん」篇に加え「タクシードライバーくん」篇も絡み、それぞれの登場人物もリンクさせて結末へと向います。債務者の中で普通に考えて最も同情を引くのは「小堀」ですね。「板橋」の完全なるトバッチリで、家庭崩壊し精神崩壊まで追い込まれてしまいます。其の結末は原作に忠実で「泣ける展開」となるのですけど、「大久保千秋(壱号)」が俄かに信じがたい言動で絡みます。明日の最終回を、お楽しみにね。
【第7話】
本放送:2010年12月1日(TBS での放送日)
再放送:2012年8月14日(TOKYO MX での放送日)
【第8話】
本放送:2010年12月8日(TBS での放送日)
再放送:2012年8月21日(TOKYO MX での放送日)
全話一挙再放送:2013年3月31日(TBSチャンネル1)
「闇金ウシジマくん」INDEX
(小島藺子)
藤圭子さんが、お亡くなりになったそうです。ビートルズが解散した1970年に、日本では藤圭子さんがチャートを独占しておりました。「ヒッキーのおかあさん」になるずっと前から有名で、「巨人の星」にも実名で出ていたのよさ。御冥福をお祈り致します。
(小島藺子/姫川未亜/鳴海ルナ)