出演作:『カエルの王女さま』(フジテレビ)
放映日:2012年4月12日〜6月21日(木曜日 22:00〜22:54)
撮影日:2012年2月下旬〜6月17日(レッスンは、1月から開始!)
全11話 平均視聴率 9.1%
映像作品:Blu-ray「カエルの王女さま Blu-ray BOX」(ポニーキャニオン)
DVD「カエルの王女さま DVD-BOX」(ポニーキャニオン)
2012年11月7日発売
片瀬那奈ちゃんの女優歴を追う連載を、久しぶりに再開いたします。一年半以上も溜めましたが、理由はコノ「桜井玲奈」から「第四期女優時代」が始まったと考えていたからです。片瀬那奈ちゃんは、2011年4月から「シューイチ」と「Oh ! どや顔サミット」の、週に2本のレギュラー番組で司会の大役に抜擢されました。勿論、女優としても7月から「美男ですね」と「荒川アンダー ザ ブリッジ」へレギュラー出演されましたので、週に4本のレギュラーと云う「売れっ子」になったのです。然し乍ら、片瀬那奈ちゃんの性格上、新たに挑戦している「司会」への比重が大きくなっているのでは?との危惧がありました。事実、9月に「美男ですね」をクランクアップされた後は、待てど暮らせど女優としての新作情報は得れない状況となります。ちなみに、10月に放送された「ボクら星屑のダンス」の撮影は5月です。「もう此の侭、片瀬那奈ちゃんは司会を中心として活動されるのかしらん」とも思ってしまいました。だって、かつてのトラウマがあるからね。「司会に専念したいので、女優は休業します!」なんぞと、「かたちん」なら云い出しても不思議ではない!
2011年11月7日に三十歳のお誕生日を迎えた片瀬那奈ちゃんは、11月11日に長い髪を30センチも切ってイメージ・チェンジしました。あたくしは、11月9日に「麻布消防フェアで一日消防署長」を務められた長い髪の片瀬那奈ちゃんを間近で目撃したばかりでしたので、11月13日の「シューイチ」34回目生放送でバッサリと髪を切った片瀬那奈ちゃんを観て、ひっくり返りました。そして、何かが起こる予感がビンビンと伝わって来たのです。2012年となり、片瀬那奈ちゃんは、CM「麦のごちそう」で西島秀俊さんとコミカルな夫婦を演じシリーズ化されます。8月からの舞台出演も公表され、4月クールの連続ドラマ「カエルの王女さま」へのレギュラー出演も発表されました。司会ばっかりやっていたと思えた片瀬那奈ちゃんが、女優として凱旋されたのが「桜井玲奈」です。しかも、歌って踊るショークワイアと云うではありませんかっ。通常の1クール連続ドラマよりも倍近い「約半年もの長期に及んだ撮影」は、演技だけでなく歌とダンスのレッスンも行わなければならなかったからです。第2話で野外で歌い踊る片瀬那奈ちゃん、いやさ、桜井玲奈さんをテレビ桟敷で観たあたくしは、矢も楯もたまらず「エキストラ参加するしかない!」と決意しました。
具体的には、第8話と第11話(最終話)にエキストラ参加し、生で「シャンソンズ」を観ました。どちらにも思いっ切り映っておりますが、あたくしは「ど素人」なので分からないでしょう。個人的には、片瀬那奈ちゃんと一緒にドラマに映っていると云うだけで「カエルの王女さま」は途轍もなく重要な作品です。何百回と片瀬那奈ちゃんと逢えたし、歌手としてのステージも、舞台で演じる姿も、何度も体験したけれど、撮影現場を目撃したのは初めてでした。そして、其れは、物凄い衝撃でした。やっぱり、片瀬那奈ちゃんは素晴らしい女優さんなのだと、ハッキリと分かりました。「桜井玲奈」は市役所に勤める「キラキラ女」で、些か不純な動機で「シャンソンズ」に入団します。実は、市役所の上司(「シャンソンズ」のりりちゃん演じる学級委員のぼんくら亭主)と不倫していたのだ!片瀬那奈ちゃんは、大好きなラーメンを我慢しておへそを出したり、焼き肉桃太郎と呼ばれつつ「シリアスとコミカルを行き来する絶妙の演技」を魅せました。ま、其の辺の事は過去記事で散々書いたので割愛しますけど、あたくしにとって「桜井玲奈」は十年越しの夢が実現した役柄です。かつて、片瀬那奈ちゃんは順風満帆な「アイドル女優」の座を捨て、歌手に転向してしまわれた。当時のあたくしは、激しい憤りを感じました。いきなりだナァと「グラビア卒業宣言」をして、半年後にひょっこりと帰って来たら「女優はお休みして、歌っちゃうよ!」ですよ。正に、ファンは「ぽかーん!」です。
「おいおい、なぜ女優と歌手を両立しないのだ?そんなのみんなやらかしているのに、片瀬那奈ちゃんはアタマ平気なのかしらん?」と思いつつも、逢える機会が格段と増えたので歌手としてのライヴに足繁く通ったら、ドップリとハマリました。ところが、女優回帰が決まったら片瀬那奈ちゃんはアッサリと音楽活動を休止しやがったのだ。「そりゃ、ねーべ?」なのよさ。「いいじゃん、歌って踊って演技したって、いいじゃん!」と「ふざくんな、どんだけファンの気持ちを振り回せば気が済むのよさ?」とリベンジを誓い、「こーなったら、歌って踊って演技する片瀬那奈ちゃんを、いつか必ず観てやるから、覚悟しとけよ!」とばかりに、ココを立ち上げました。「大願成就」のロケに参加し幕が開き、桜井玲奈さんとして片瀬那奈ちゃんが歌い踊り演技する御姿を目の当たりにした時に、あたくしは絶句し、ただただ見つめる事しか出来なかった。思えば、ふたたび髪を伸ばしてしまった片瀬那奈ちゃんの「セミロングでの演技」が観れるのは、コレだけです。何度でも何度でも云いますが、幕が開いて「Don't Stop the Music」を歌い踊る姿を観た時、桜井玲奈さんを演じていると分かっていても、「歌手・片瀬那奈が蘇った!」と錯覚した感動に震え、涙が出てしまいました。
主演の「あまみん演じる澪コーチ」を始め「シャンソンズ」のみんなは、本当に素晴らしかった。サリーも好かった。でも、現場に居た時には「片瀬那奈ちゃん演じる桜井玲奈さん」しか見えなかった。申し訳ないけれど、あたくしは「桜井玲奈さんを生で何度も観てしまった」から、「サイケデリック・ペイン」には「たったの二回しか行かなかった」のです。ズバリ云って、あたくしにとって「怪優・片瀬那奈」2012年の最高傑作は「桜井玲奈」です。「レディー・パンドラ/ミツコ」も「冴島響子」も素晴らしかった。されど、あんなにも「コトノハに出来ない心の底から湧き上がって来る得体の知れない感情」を与えてくれたのは「桜井玲奈」しかいません。其れは、長い挑戦者としての歴史に、見事に応えて下さった片瀬那奈ちゃんの晴れ姿を目の当たりにしてしまったからでしょう。片瀬那奈ちゃんが歌手としてファンの前に立ち続けて下さった「アノ熱い時代」を共に生きた同志諸君ならば、あたくしが「歌い踊る那奈ちゃん」を那奈年半ぶりに観た瞬間の「怒涛の想い」を分かって頂けると思います。ドラマ「カエルの王女さま」は、数字は「平均ひと桁」でしたし、過去記事でも書いた通りに「脚本も些かヘッポコだった」とは思います。でも、あたくしは「シャンソンズ」をこよなく愛しています。数字なんて、どーだっていいのよさ。片瀬那奈ちゃんが、歌って踊って演じたってだけでも、ドエライ事だぞ。
「ハッキリ云って、桜井玲奈さん贔屓だっ!」
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(小島藺子/姫川未亜)