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2013年07月04日

「あしたはどっちだ 2」

あしたのジョー2 サントラ


片瀬那奈ちゃんの追っかけブログなのに、連日連夜「枝葉ネタ」で、どーもすいません。あたくしは「女子マネちゃん」でも「新マネちゃん」でもありませんので、片瀬那奈ちゃんが「ショムニ 2013」の撮影でスーツ姿を披露されたとか、はたまた片瀬那奈ちゃんが「ポスター撮り」をされたなんてこたぁ、全く知るよしもございません。あたくしが知る「かたちん」とは公的に現れてナンボでありまして、事前の裏話で仄めかされてもチンプンカンプンなのよさ。そーゆー「かたちん」の事前情報にも興味深々な未亜たんが、最近じゃすっかり「じぇじぇじぇヲタ」となってしまいましたので、あたくしはコレ幸いとばかりに、思う存分に「枝葉ネタ」を書けるのです。未亜たんの気を逸らして下さった能年玲奈ちゃんには、心から感謝しておりますよ。てか、能年玲奈ちゃんって手塚治虫先生の「人間ども集まれ!」に出てくる「リラ(無性人間・未来のお母さん)」に横顔がソックリだと、あたくしは思うのです。

と、強引に「マンガ・ネタ」へ持って行ってですね、「あしたのジョー」でございます。あたくしは原作マンガを何度も「買っては売り」を繰り返してまいりました。数年ごとに新版として発売されますので、紙媒体なので新しい方が保存に宜しいわけですよ。でもですね、先日にCSで1970年の実写版を観て、ジョー(石橋正次さん)が丹下段平を「メッカチの拳闘キチガイじじい!」と連呼していて、アレレ?と思いました。最近出ている「あしたのジョー」では、そんなセリフはありません。それで、古本屋さんへ行って、1977年版(ちばてつや漫画文庫)全20巻を「税込み二千五百円」で購入しました。そうです、其の通りです、他の多くの作品にも云えますが、いつの間にか「言葉狩り」が行われていて、所謂ひとつの「差別用語」が改変されているのでした。確かに、非常にデリケートな問題です。手塚先生の著作に「読者の皆様へ」と巻末に掲載されているのを知っている方々も多いでしょう。

1977年文庫版の「あしたのジョー」は、未だ「言葉狩り」が現在ほど進んでおらず、例えば、ジョーは段平を普通に「めっかち」とか「拳キチ」と云っています。ジョーは、見たまんまに云っているだけです。白木葉子お嬢様まで、平気で「きちがい」を連呼しているではありませんか。力石を殺してしまったと思い、テンプルを撃てなくなったジョーを、段平は「やろうはかたわだ!」と絶叫します。ホセ・メンドーサが恐怖に慄き、ジョーに反則(偉大なる世界チャンピオンが半狂乱状態となり、両腕を振り下ろし、エルボーを炸裂させ、制止するレフェリーも振り払い、頭を抱え込んでタコ殴りした上に投げ飛ばす!)をすれば、セコンドの段平は「き・・・気ちがいやろうめっ・・・」と吐き捨てます。「差別用語」に関して語ると長くなりますし、色々と問題も生じるのですけど、原作が書かれた頃には自主規制もなかったし、何よりも作者は「差別する意識でそれらの表現を使ったのではない」事は明白でしょう。

石森先生の名作「サイボーグ009」で改造人間である「004」が「俺たちは、いってみりゃ、かたわなのさ」と自嘲するセリフが「俺たちは、いってみりゃ、身体障害者なのさ」に改変されたりもしましたが、えっとですね、あたくしは改変されたセリフの方が「差別を助長させている」と感じます。「004」は、決してそんな意味で云ったのではないでしょう。今や「障害者」の「害」の字まで「差別」だとかで、「障がい者」と書くべきなのだそうです。言い換えを行うと「何々が不自由な」等とされ、より「不自由」な部分が具体的に分かる様になってしまいます。ちなみに段平の「やろうはかたわだ!」は、近年では「やろうは欠陥品だ!」に変わっていました。其れも如何なものか?と思われる言い換えです。最近ではCSでの放送でお分かりの様に「差別を助長する意図はない」「作品のオリジナリティを尊重する」として、オリジナル通りの放送や出版も行われる様になっています。お断りしておきますが、あたくしは、決して差別を助長したくて此の文章を書いたのではありません。但し、あたくしもジョーと同じで丹下段平は「メッカチの拳闘キチガイじじい」だと思うし、ホセ・メンドーサの暴走は「キチガイ沙汰」だとしか思えません。


(小島藺子)



posted by 栗 at 17:43| KINASAI | 更新情報をチェックする