
フジテレビTWO 13:00〜13:50
「心の握手」(本放送:2004年11月29日)
片瀬那奈 as 藤澤律子
いよいよ佳境に向う「ラストクリスマス」第八話です。驚くべき事に、リアルタイムで視聴していたはずのあたくしは、此の回から当時に記事を書いておりません。おそらく、余りの酷さに呆れ返ってしまったのでしょう。と云いますか、当時のあたくしは激しい怒りを感じておりました。片瀬那奈ちゃんが女優回帰して歌手活動を休止するのは決定と思われましたので、満を持しての女優としての新作に「期待度777%」だったのに、此の体たらく。ドラマは下らないけど、そんなこたぁどーだってええのよさ。肝心の片瀬クンがコンディション最悪で目も当てられない情けない姿を「天下の月9」の平均視聴率が「20%超え」のドラマで、満天下に晒してしまった事実に、悔しくて口惜しくて堪らなかったのだ。アノですね、あたくしが愛する片瀬那奈ちゃんは、こんなモンじゃねーんだよ!でも、久しぶりに地上波に登場し高視聴率を叩き出したへっぽこドラマに登場した姿が「2004年当時の片瀬那奈」として広く大衆に認識されたのです。
第八話での片瀬那奈ちゃん演じる藤澤律子の出番は、エスニックレストランの場面だけだったかしらん。日垣のプロポーズに対する返事を「ニューヨークには行かない。あたしが一番大切なのは貴方との約束だった」と、例の「砂漠に捨てて、往復一千キロも走った挙句に砂漠から見つけた」とか云う「奇跡の指輪」をはめようとすると、四年も律子を想い続けていたはずの日垣は手のひらを返して「其の指輪の有効期限は、もう切れました。ニューヨークへ行け!」と、ぶちかますのでした。もう、何が何だか分かりません。カップルを揉めさせるのは別に構わないのだけど、キャラ設定が無茶苦茶すぎて感情移入できないわよ。コレじゃ、やっぱり「律子は、やり捨てられた」と思うしかないじゃん。現に日垣は青井に猛烈に再アプローチもしているわけで、結局は「単なるヤリチン」だとしか思えないぞ。律子も日垣も、物凄く「薄っぺらな人間」として描かれています。其れは、演じた片瀬那奈ちゃんと玉木宏さんの責任ではありません。二人は、脚本家と演出家の指示に従っただけです。
前回のラストで青井から「別れよう」と云われた春木は、お説教してアッサリと仲直り。えっと、毎日やっている再放送だからまだ我慢しますけど、本放送で一週間も引っ張られた視聴者は「ポカーン!」ですよ。一難去ってまた一難どころか、大家さんが春木と青井の部屋を繋ぐドアを壊すと云い出すし(何で今更、このタイミングで?)、青井はレディース仲間だった松田志穂(山口紗弥加さん)の保証人になっていて「120万円」の借金を肩代わりすると云い出すのです。そして、エスニックレストランで片瀬那奈ちゃん演じる藤澤律子が無惨にも日垣に振られる場面になります。名場面なのでしょうけど、片瀬那奈ちゃんは声がハスキーのまんまで最悪です。今回の片瀬那奈ちゃんの出番も、ワンシーンで終了でございます。日垣は青井との電話で借金の件を知り、「金?いくらいるんだ?俺が貸してやるよ。事情なんてどうでもいいよ。それで、お前が助かるなら」と金絡みで落としにかかります。おいおい、コレじゃ日垣は、闇金かヤクザじゃまいか。青井も律子さんも、逃げてーっ!
青井は志穂に騙されている様で、春木は心配しますが「春木さんには、こんな事は頼れない」と拒否し、なな、なんと、日垣からお金を借りてしまいます。春木は仕事絡みとは云え元・婚約者の仁美と逢い、「アノ頃に戻りたいの、許して!アノコ(青井)は貴方には似合わない!」とモーレツなアピールをされ捲くります。然し!青井にゾッコンの春木は拒絶!青井は志穂に「お金は用意できなかった!一緒に金融会社へ行こう!」と諭すと、其の前に春木が志穂を訪ね同じ様に説得していたと発覚!はい、みなさん御一緒に「織田ちゃん、徹底的にカッコイー!」なのだ。春木は離婚した仁美と逢い昔話でホロリとさせ、日垣は青井に「お金は、律子をニューヨークまで追う飛行機代にさせてもらうよ!」と告げ、元カップル二組は爽やかに別れ、ようやく主役カップルはラヴラヴ・モード!ところが、そんな幸せ絶頂ではドラマが終わってしまいますので、青井の難病が再発!春木が勤めるハートスポーツはスキー部門撤退が決定!二人を繋ぐドアもリフォームされ塞がれてしまいましたとさ。いやー、平成プロレスの如き素晴らしい脚本に涙が溢れて満腹です。いやいや、まだまだ、こんなもんじゃないのよさ。残り三回の驚愕の展開に、覚悟して下さいね。
「ラストクリスマス」INDEX
(小島藺子/姫川未亜)