
1987年に、新日本プロレスでは「新旧世代闘争」なるものが行われました。当時は、前田たちのUWFと長州軍団が戻って来て、本隊との三つ巴の抗争となりまして、スター選手だらけとなったわけですが、みんな「元・新日」の出戻りでありまして、元鞘じゃん!とも思えます。然し、三者は所謂ひとつの「イデオロギー闘争」を繰り広げておりました。ところが、猪木とマサ斎藤のIWGP戦後に長州が乱入し、いきなりだナァと藤波と前田(イチオー、健悟の名前も出した)に共闘を求め、猪木はマサ&坂口と手を組み「受けてやるぜ!」と宣言し、「ナウリーダー vs ニューリーダー」との図式となります。年齢で云ったら「ニューリーダー」の方に近かったのに、顔がふけていて、前田の師匠で、猪木の懐刀と云った立場から、藤原組長は猪木側についてしまいました。「プロレス観の違いで三派に分かれていた」はずなのに、ごちゃまぜで師匠と弟子が戦うとなり、挙句の果てに、マサが欠場となると、猪木は当時売り出し中だった若き日の武藤ちゃんを自軍に加えてしまったのです。当時の武藤ちゃんは髪もフサフサの24歳、誰よりも若いではありませんか。
おいおい、もう世代闘争じゃないじゃん!更に、猪木は勝手にマサと巌流島決闘を敢行!イチオー、マサが「オレは世代闘争なんて関係ない!オレが戦いたいのは猪木だけ。猪木、もう一度オレと戦え!」とアピールしたのがキッカケでした。オヤジ二人の暴走に困った長州は「フライングするぞ!」と自分で提唱した世代闘争を勝手にやめてしまい、前田に「言うだけ番長」と揶揄されたあげく顔面を蹴られて入院してしまいます。「プロレス道にもとる!」と猪木は前田を無期限出場停止処分(後に解雇)とし、復帰した長州と年末に対決する事になるのですけど、またしてもピキーン!と閃いた猪木は「たけしプロレス軍団」なるアングルを仕掛け、試合当日にビートたけしが発掘した(ホントはマサ斎藤が発掘しコーチした)未知の強豪ビッグバン・ベイダー(永井豪せんせいデザイン)とのシングルマッチに変更すると云い出します。可哀相なのは長州で、代わりにタッグマッチをやったら会場の観客はリングに物を投げ込み「やめろ!やめろ!」の大合唱!全く空気を読まない猪木は「だったら、長州ともやりましょう!」とまたしてもカードを変更し二連戦となり、長州には反則パンチで大流血させて何もさせず五分位で勝ち、つづくベイダー戦では三分弱でアッサリとフォール負けしやがったから、さあ大変。
両国国技館を埋め尽くした過激なプロレス・ファンは、余りの茶番劇に大激怒!爆発寸前だっ。怒号と物が飛び交うリング上でケロが泣きながら土下座しても収まらず、其処へ猪木はノコノコと再登場し「みんな、ありがとー!」と絶叫!猪木の頓珍漢すぎるアピールに、プツンと切れた観客は遂に暴徒と化し、大量に椅子を壊すわ、放火するわ、シッチャカメッチャカの大暴動となってしまったのでした。リング上はフィクションですが、其れに納得しなかった観客の大暴動はリアルでガチです。全く、猪木って怖ろしいですね。翌日の東京スポーツ一面は「猪木が悪い」と断定する見出しでしたが、こうして思い出しても其の通りとしか云えませんナァ。折角、UWFや長州軍団を呼び戻したのに、海賊男とか思いつきでやっちゃうし、テレビ中継も「ギブアップまで待てない!」なんてバラエティになるわ、そもそも一体「世代闘争」とは何だったのか?と、実はここまでが長い枕でありまして、本題は片瀬那奈ちゃんでございます。新年度となりまして、片瀬那奈ちゃんは女優作品の新作が三本!司会者としてもレギュラー番組が週二本!と相変わらず絶好調です。ドラマと司会で週三本のレギュラーと云うスタンスは、最早、片瀬那奈ちゃんにとっては「当たり前田のやっちゃっていいんですか?」なのでしょう。
そんな云わば「ニューリーダー」である「2013年の片瀬那奈」に挑むのが、「ナウリーダー」である「かつての自分自身」です。御馴染みのスカパー!ネタなのですけど、「ブラッディ・マンデイ(2008年)」「20世紀少年(2008年、2009年)」「デスノート the Last name(2006年)」「ハンマーセッション!(2010年)」そして「GTO ドラマスペシャル(1999年)」など、四月にも多くの片瀬那奈ちゃん出演作がCSでは放送されます。ドラマや映画の旧作も沢山観れて、新作も目白押しと、ウハウハ状態でございます。ところが、CSでは「女優・片瀬那奈」だけが蘇るのではありません。今月の番組表を検索したら、おいおい、「恋するハニカミ!(2007年)」の再放送が二回もあるじゃまいか。えっと、司会の片が色々お騒がせとなったし、もう観れないと思っておりました。てか、大昔のバラエティ番組も普通に再放送しちゃうんですね。確かに、ドリフとか毎晩みたいにザッピングすると映るもんナァ。片瀬那奈ちゃんは現在進行形で御活躍中ですので、再放送用のストックも貯まる一方です。色んな情報を駆使しないと、うっかり見逃す番組もありそうです。こりゃまた、困ったナァ。でも「片瀬は悪くない」のだ。
(小島藺子/姫川未亜)