CSのファミリー劇場で「鉄腕アトム」が放送されております。モノクロで、絵もあんまり動かないのだけど、コレこそが正に日本の「テレビまんが」を創った作品なのです。手塚先生は、本物の「天才」でした。そして、多くの代表作がありますが、やっぱり「アトムを描いた人」なのです。手塚先生御自身も、「僕はアトムだけじゃない!」と云いながら、アトムを愛していました。なんてったって、モデルは手塚先生御本人なのですからね。
山下達郎さんは手塚先生が亡くなった時に、「自分にとって最高の作品は『火の鳥』だと思っていたけれど、手塚先生が亡くなって、其れは『鉄腕アトム』だと気付かされた」と語り「アトムの子」を作りました。アトムは、余りにも精巧なロボットゆえに、常に人間とロボットの狭間で悩むのです。物語は、基本的には残酷です。妹が実はロボットで車に改造されちゃうとか、何じゃらホイ。
手塚先生の作品は、基本的に「悲劇」です。ブラック・ジャックは「この世に、正義なんてもんはない」と言い放つのです。宮崎駿さんは若かりし頃に関わった「西遊記」で手塚先生が「リンリンを死なせましょう。何故なら、其の方が観客は感動するからです」と云った事を、根に持っています。「手塚先生は、神なのかよ!僕が好きなキャラを、そんな理由で殺しちゃうのかよ!」と。ええ、そうです。其の通りです。手塚先生は「神」なのです。こんな事を云うと、議論になりませんね。「片瀬那奈ちゃんは、御本尊様なのだ!」なんて云うのも、同じです。でも、本当なのだ。
(小島藺子/姫川未亜)