

w & m:LENNON / McCARTNEY
(シラ・ブラック盤:1964年7月31日発売 パーロフォン R5162)
ビートルズの妹分として、ポール・マッカートニーが書いた「LOVE OF THE LOVED」でデビューしたシラ・ブラックでしたが、「マネジャーはブライアン・エプスタイン、プロデューサーはジョージ・マーティン、作詞作曲はレノン・マッカートニー」なのに「全英35位」と残念な結果になりました。「やっぱり、ビートルズが演奏しなきゃダメなのね。つまり、シラ・ブラックがヘッポコ歌手だから売れなかったのよさ」と云われたでしょう。ところが、次もその次も、シラ・ブラックは全英首位の大ヒット!勿論、「マネジャーはブライアン・エプスタイン、プロデューサーはジョージ・マーティン」そして、楽曲は「レノン・マッカートニー作品ではない!」のです。こうなりますと、デビュー曲が売れなかった原因は「ポール・マッカートニーの提供曲がダメだったからじゃん!」となります。
そこで、ポールは本気を出したのでしょう。「LOVE OF THE LOVED」は、ビートルズでも演奏していたお下がりでありますが、此の「IT'S FOR YOU」は「書き下ろしの新曲」です。ワルツ調で、当時のビートルズとは違った作風ですので、明らかに「シラ・ブラックの為に書いた」と分かります。結果は、全英「那奈位」とヒットします。ポールは「やればできる子」なんですよっ。でも、1964年には何度でも繰り返しますが、圧倒的にジョン・レノンの才能が優っていました。ポールが多くの提供曲を手掛けているのは、ビートルズで自作が採用されないからです。でもですね、「IT'S FOR YOU」を聴くと、其の修行は後の「ポール大爆発!」へ繋がっていくと思えます。コレは「名曲」ですね。
(小島藺子)
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