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2012年11月16日

BOOT-029:I'M IN LOVE

The Best of Fourmost British 60's: Fourmost Poole Fontana


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 (ザ・フォアモスト盤:1963年11月15日発売 パーロフォン R5078)


ザ・フォアモストの第二弾シングルも「レノン・マッカートニー」作品です。デビュー・シングルの「HELLO LITTLE GIRL」は大昔にジョン・レノンが書いた曲のお下がりでしたが、此の「I'M IN LOVE」はジョン・レノンの書き下ろし新曲であります。マネジャーはブライアン・エプスタイン、プロデューサーはジョージ・マーティンと、毎度おなじみの「完全なるビートルズのパチモン」として売られ、全英17位とそこそこ売れました。もう、エプスタインとマーティンはウハウハでホクホクですよ。ビートルズはバカ売れしていて、自ら作ったパチモンも全部売れちゃうんですからね。

ビートルズとしては録音されず、ジョンはこんな曲を書いた事をすっかり忘れてしまったらしいのですが、あたくしは個人的にかなり好きな曲です。「WITH THE BEATLES」の頃ですから、「IT WON'T BE LONG」「NOT A SECOND TIME」を「足して二で割らない感じ」な「レノン節」が炸裂した展開が素晴らしいですよ。イントロなしでフェイドインで♪I'M IN LOVE WITH YOU♪と来て、一転してマイナー調へ進み、いきなりだナァと♪シャララララ、ウー!♪で甘い♪I'M IN LOVE♪へ持って行き、中間部は上昇していく展開が、滅茶苦茶だけど好いんだよナァ。兎に角、一聴して「ジョン・レノンが書いた」とハッキリ分かるのがスゴイです。ジョンのデモ・テープしか残っていないのだけど、是非ともビートルズでも演奏して欲しかったナァ。

そして「I'M IN LOVE」は、ジョンが「レノン・マッカートニー」として書いた最後の提供曲ともなります。其の後も提供曲をジョンは書くのですが、出来が好すぎて勿体ないからビートルズで演奏するようになり、しかもドンドンドンガラガッタと「私的な曲」を書くようになりますので、最早ジョンにしか歌えなくなってしまうのです。其の辺が、ポール・マッカートニーとは決定的に違うのですよ。ジョンとポールって、感性が似ているからタッグを組んだのだけど、本質は「丸っきり違っていた」わけです。其れは、お互いにすぐに気付いたでしょう。だからこそ、二人は「レノン・マッカートニー」となったのだと思えます。「レノン・マッカートニー」って、物凄いのですよ。着想は「ゴフィン&キング」などの「ソングライター・チーム」だけど、ジョンとポールは「どちらかが単独で書いても共作にする」とぶっ飛んだ発想をし、実行しました。ん?どっかで聞いた噺だぞ。おいおい、もしかして、元ネタは「藤子不二雄」かっ。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする