

w & m:Jerry Leiber / Mike Stoller
録音:1962年1月1日(デッカ・オーディション)
1982年9月10日発売 (「THE COMPLETE SILVER BEATLES」)
1995年11月20日発売 (「ANTHOLOGY 1」 disc1-15) アップル
デッカ・オーデイションの最後の曲は、またしてもポール・マッカートニーが歌います。「SEARCHIN'」はコースターズが1957年に発表したシングル「YOUNG BLOOD」の「B面」です。「A面」の「YOUNG BLOOD」もビートルズはカヴァーし「LIVE AT THE BBC」で聴けますし、前述の通り「THREE COOL CATS」もカヴァーしていますから、コースターズはかなりお気に入りだったのでしょう。特に、ポールはカヴァーのカヴァーである「BESAME MUCHO」も含めて、影響を受け捲くっていますね。此の「SEARCHIN'」は、「ANTHOLOGY 1」に「デッカ・オーディションの全15曲中、三分の一のたったの5曲しか収録されなかった」内の幸運なひとつとなりました。
何ゆえ「ANTHOLOGY 1」に「デッカ・オーディション」からたった「5曲」なのに、「2曲」がコースターズのカヴァーなのかは、よく分かりません。ジョンが歌う曲がオリジナルの「HELLO LITTLE GIRL」だけと云うのは、他のカヴァー3曲が別ヴァージョンで「LIVE AT THE BBC」に収められたからでしょう。ポールの7曲から2曲と、ジョージの4曲から2曲に関しては、当然乍ら本人の要望もあっての事だったと思います。特に、ポールは自分の意思でオリジナルの「LOVE OF THE LOVED」ではなく「SEARCHIN'」を自ら選んだと思われます。流石の天然バカボンであるポールも「LOVE OF THE LOVED」のヘッポコぶりは分かっていたでしょうし、何よりもポールは「SEARCHIN'(あの娘さがして)」が大好きなのですよ。「おねえちゃん狂い」のポールにとって「テーマ曲」じゃまいか。
(小島藺子)
【関連する記事】