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2012年11月05日

BOOT-018:THREE COOL CATS

Baby What Is Rock N Roll? Chavez Ravine


 w & m:Jerry Leiber / Mike Stoller

 録音:1962年1月1日(デッカ・オーディション)

 1982年9月10日発売 (「THE COMPLETE SILVER BEATLES」)
 1995年11月20日発売 (「ANTHOLOGY 1」 disc1-16) アップル


デッカ・オーデイションで好調だった、ジョージ・ハリスンがリード・ヴォーカルを担当した楽曲です。「ANTHOLOGY 1」にはデッカ・オーデイション音源が「15曲中、5曲」しか収録されていないにも関わらず、其の内の「2曲」をジョージが歌ったカヴァー曲にしています。ジョージは「4曲」を歌っており、全て好いのですから、どうせなら「TAKE GOOD CARE OF MY BABY」と「CRYING, WAITING, HOPING」も入れて欲しかったナァ。「CRYING, WAITING, HOPING」は、別ヴァージョンが「LIVE AT THE BBC」に収録されましたけどね。てか、デッカ・オーデイション音源は、全「15曲」を公式発売しなきゃアカンでしょ。堂々と「ANTHOLOGY 1」に「5曲」収録したと云う事は、つまり「未だデビュー前でEMIと契約していなかった音源」を買い取ったわけでしょう。どうせ出すなら、全部出さなきゃダメよ。ケガレシア様に「全部、出た?」って云われなきゃアカン!中途半端に「寸止め」するから、海賊盤業者が喜んでしまうのだ。

オリジナルは、1959年に発表されたコースターズのシングル「チャーリー・ブラウン」の「B面」曲です。ビートルズは、あまり知られていない「B面曲」をレパートリーにする「捻くれたバンド」でした。コースターズはお気に入りのグループだった様で、「SEARCHIN'」や「YOUNG BLOOD」などもカヴァーしています。ビートルズがヘンチクリンだったのは、ロックンロールやリズム&ブルースだけではなく、こうしたドゥーアップ・グループや、ガールズ・グループ、更にはミュージカル・ナムバーなども、デビュー前から普通にレパートリーに加えていた点です。ビートルズの摩訶不思議な音楽性は、「なんでもあり!」な雑食性から生まれたのでしょう。「THREE COOL CATS」は、1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」でも演奏されているので、「ジョン、ポール、ジョージ」の三人ともに好きな曲だったと思われます。其の感覚に、ピート・ベストはついていけてないんだよナァ。そして、「ジョン、ポール、ジョージ」の三人は、既にロリー・ストーム&ハリケーンズのドラマーだった「リチャード・スターキー」と1960年に共演していたらしいのです。おんなじ感覚を持つドラマーがビートルズには必要で、もう其れが誰なのかは「ピート・ベスト以外の、クールな三人」は分かっていたはずです。


(小島藺子)



posted by 栗 at 05:59| FAB4 | 更新情報をチェックする