w & m:LENNON / McCARTNEY
録音:1962年1月1日(デッカ・オーディション)
1995年11月20日発売 (「ANTHOLOGY 1」 disc1-18) アップル
(ザ・フォアモスト盤:1963年8月30日発売 パーロフォン R5056)
ジョン・レノンが1958年頃に初めて書いた曲と云われる「HELLO LITTLE GIRL」は、1960年の「クオリーメン・テープ」でも披露されていました。デッカ・オーディションでは「レノン・マッカートニー」によるオリジナルは三曲しか演奏されておらず、実質的にジョンが書いたのは「HELLO LITTLE GIRL」だけです。処女作と云うだけあって「稚拙な楽曲」ではありますが、ジョンは何度か改作をして完成させたようです。結局、ビートルズとしての正式レコーディングは行われなかったので、「ANTHOLOGY 1」に収録された「デッカ・オーディション音源」でしか聴けません。まあ、ジョンの溌溂としたヴォーカルが聴けて嬉しいものの、所詮は「ボツ曲」なのです。そして、やっぱり、ピート・ベストの太鼓がヘナヘナですね。此れじゃ、オーディションに受かりません。いえ、あたくしは此の曲が好きなのですよ。でもですね、此のレベルで終わっていたら、ビートルズは他のマージー・ビートとおんなじ「懐メロ」になっていたでしょう。
其れで「こりゃ、クズ曲だな」と思ったジョンは、ザ・フォアモストへのデビュー・シングル用の提供曲にしてしまうのです。プロデュースはジョージ・マーティンで、もう完全なる「ビートルズのパチモン」みたいな出来栄えですが、ビートルズがバカ売れしちゃったので全英9位のヒットとなります。そんでもって、ジェリー&ザ・ペースメイカーズも後追いでカヴァーしちゃうのだ。ジェリー&ザ・ペースメイカーズのヴァージョンは、もう完全なるビートルズのコピーです。「HOW DO YOU DO IT ?」で当てたから、味をしめましたね。てか、ジェリー&ザ・ペースメイカーズもジョージ・マーティンがプロデュースしてるじゃん!そんでもって、レノン・マッカートニーに提供曲を書かせている連中は、大抵はブライアン・エプスタインがマネジメントしてやがるわけです。クズ曲でも売れ捲くりなんだから、エプスタインもマーティンもウハウハだったでしょうね。それにしても、デッカはマヌケだな。
(小島藺子)
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