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2012年11月02日

BOOT-015:MEMPHIS, TENNESSEE

Vol. 2-Memphis Tennessee Totally Live at the Whiskey a Go Go


 w & m:Chuck Berry

 録音:1962年1月1日(デッカ・オーディション)
     1963年7月10日(1963年7月30日放送「Pop Go The Beatles」)

 1982年9月10日発売 (「THE COMPLETE SILVER BEATLES」) デッカ・オーディション音源
 1994年11月30日発売 (「LIVE AT THE BBC」 disc1-30) アップル (1963年版)


「ロケンロールの神様」でありますチャック・ベリーが、1959年にシングル盤「BACK IN THE U.S.A.」のB面!として発表した楽曲です。デッカ・オーディションでも、「Pop Go The Beatles」でも、歌うは勿論、ジョン・レノンでございます。何せ、ジョンはチャック・ベリーを「マイ・ヒーロー!」と呼び、共演したら涙目になってしまいました。「ロックンロールとは、チャック・ベリーだ」と発言しております。正に其の通りでありまして、ロックンロールを発明したのがチャック・ベリーなのですから、スリーコードでやらかしたら全部チャック・ベリーのマネッコなのだ。ジョンは後にうっかり「COME TOGETHER」で思いっきり「YOU CAN'T CATCH ME」をマネッコしたら、訴えられそうになっちゃいますけどね。ま、それだけ好きなのよさ。

でもですね、デッカ・オーディションでのジョンは「実は、本番に弱い!」って「ノミの心臓」を露呈して不調です。後の噺ですが、1969年9月にジョンはプラスティック・オノ・バンドとしてカナダのトロントで「ロックンロール・リバイバル・フェスティバル」に出演します。チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイス、ボ・ディドリーなどが出演したコンサートですが、チケットが売れず、プロモーターがダメもとでジョンに「司会をやって欲しい」と頼んだら、ジョンが自分で「俺様にも演奏させるなら出てやる!」と云ったのです。ところが、ジョンは直前になって「行きたくない!」と云い出し、エリック・クラプトンに説得されて渋々飛行機に乗り、機上でテキトーにリハーサルしただけで本番を迎えます。楽屋で、緊張と興奮からジョンは吐いてしまい、「コカインを持って来い!」と喚き散らしたそうです。

いえ、あたくしは貶しているのではなくて、そんな「情けないジョン・レノン」も好きなんですよ。デッカ・オーディションでの出来栄えは良くないのですけど、BBCラジオでも五回位演奏しているので、無名時代からのお気に入りナムバーなのでしょう。英国でチャック・ベリーのオリジナルがヒットしたのは1963年との事ですから、ビートルズはヒットする前から「B面曲」に目をつけてカヴァーしていたわけです。「LIVE AT BBC」には、余裕たっぷりの演奏が収録されております。多くのアーティストにカヴァーされておりまして、大ヒットしたジョニー・リヴァースから始まり、エルヴィス、ローリング・ストーンズ、ロイ・オービソン、アニマルズ、ホリーズ、デル・シャノン、デイヴ・クラーク・ファイブ、などなど、いっぱいあります。シンプルな楽曲ですので、カヴァーの楽しさが堪能できますね。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする