w & m:LENNON / McCARTNEY
録音:1962年1月1日(デッカ・オーディション)
1995年11月20日発売 (「ANTHOLOGY 1」 disc1-18) アップル
(アップル・ジャックス盤:1964年6月5日発売 デッカ F11916)
ブライアン・エプスタインは、本気でした。ビートルズを売り出す為に、正に命懸けでレコード会社を回り、遂にデッカでのオーディションに辿り着きます。1962年1月1日に行われたオーディションでは「15曲」が演奏されました。結果は無惨にもビートルズは落とされてしまい、後にデッカは「世紀のマヌケ」と云われるのです。「ANTHOLOGY 1」には「5曲」が収録されましたが、此のセッションで演奏された楽曲に関しては、後にアルバム「WITH THE BEATLES」で正式レコーディングされ既に語った「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」と「TILL THERE WAS YOU」以外の「13曲」を全て取り上げます。デッカ・オーディションで演奏された「15曲」は、全曲が何らかのカタチで公式発表されていますからね。
さて、一曲目の「LIKE DREAMERS DO」は、ポール・マッカートニーが書いたお気楽な楽曲です。ビートルズとしての正式レコーディングは行われず、1964年にアップル・ジャックス(ベースのミーガン・デイヴィスは、キンクスのレイ&デイヴの姉とか妹とか云われたけど「デマ」らしい)への提供曲となり、全英23位とそこそこのヒット曲になりました。ビートルズが自分たちで発表しなかったのは、楽曲を聴けばお分かりになるでしょう。ポールの天然バカボンが炸裂した、本当に「酷い曲」です。何が♪あ〜い、あいやぁやいやぁ、あぁ〜あぁあい♪ですかっ。大瀧師匠の「恋するカレン」での♪すろぉおおおな♪を遥かに越える「バカ節」です。コレって「I」ですからね。「and I'll be there」の「I」を引き伸ばしているのよさ。しかも次の「waiting for you」の「you」を、♪ゆ、ゆ、ゆー、ゆぅうう♪と来たもんだ。
兎に角、ポールには「作詞能力がない」と云う事実が明るみになっておりますが、曲も酷い!こんなもんはボツで当然です。然し、時代は「レノン・マッカートニー」となりまして、彼らは多くの楽曲を提供するのです。ビートルズ時代に「20曲」くらいを提供しますが、ほとんどは「1963年と1964年」でありまして、ジョン・レノンが「俺とポールは無名時代に100曲以上書いた!」と豪語したストックから「出来の悪い曲」を放り出したのでしょう。いえ、中には素晴らしい名曲もあります。でも、「LIKE DREAMERS DO」はヘッポコだ。そして、こーゆーヘボ曲をボツにして他人にやらせたビートルズは、狡猾です。ちなみに、アップル・ジャックスはデッカの所属でございます。ディック・ロウとマイク・スミスに対する当て付けかっ。
(小島藺子)
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