【UK version】
プロデューサー:ジョージ・マーティン
エンジニア:ノーマン・スミス、ジェフ・エマリック、他
歌と演奏:ザ・ビートルズ
(録音:1963年3月5日〜1969年4月30日)
1978年12月2日 英国アルバム発売
パーロフォン PSLT-261 / PCM-1001 (モノラル&ステレオ)
side-A
1. ACROSS THE UNIVERSE (1969年)ステレオ
2. YES IT IS (1965年)モノラル
3. THIS BOY (1963年)モノラル
4. THE INNER LIGHT (1968年)モノラル
5. I'LL GET YOU (1963年)モノラル
6. THANK YOU GIRL (1963年)モノラル
7. KOMM, GIB MIR DEINE HAND (1964年)ステレオ
8. YOU KNOW MY NAME(LOOK UP THE NUMBER) (1970年)モノラル
9. SIE LIEBT DICH (1964年)ステレオ
side-B
1. RAIN (1966年)モノラル
2. SHE'S A WOMAN (1964年)モノラル
3. MATCHBOX (1964年)モノラル
4. I CALL YOUR NAME (1964年)モノラル
5. BAD BOY (1965年)ステレオ
6. SLOW DOWN (1964年)モノラル
7. I'M DOWN (1965年)モノラル
8. LONG TALL SALLY (1964年)モノラル
「RARITIES」と題されたアルバムは、英国と米国では全く違った内容で発売されました。此の英国盤は14枚組の「THE BEATLES COLLECTION」に入っていたボーナス盤で、後に単品でバラ売りされています。内容は、シングルB面とEP盤のみの収録だった曲を集めたもので、ほとんどがモノラルです。当時の目玉は「ACROSS THE UNIVERSE」のバード・ヴァージョンが収録されている事ですが、現在では全ての楽曲が「PAST MASTERS」で聴けてしまいますし、モノラルも「MONO BOX」に収められましたので、手抜きとしか思えないジャケットも含めて魅力の乏しい作品となってしまいました。
【US version】
プロデューサー:ジョージ・マーティン
エンジニア:ノーマン・スミス、ジェフ・エマリック、他
歌と演奏:ザ・ビートルズ
(録音:1962年9月4日〜1969年4月30日)
1980年3月24日 米国アルバム発売
キャピトル SHAL-12060 (モノラル&ステレオ)
side-A
1. LOVE ME DO (1962年)モノラル
2. MISERY (1963年)ステレオ
3. THERE'S A PLACE (1963年)ステレオ
4. SIE LIEBT DICH (1964年)ステレオ
5. AND I LOVE HER (1964年)ステレオ
6. HELP ! (1965年)モノラル
7. I'M ONLY SLEEPING (1966年)ステレオ
8. I AM THE WALRUS (1967年)ステレオ
side-B
1. PENNY LANE (1967年)ステレオ
2. HELTER SKELTER (1968年)モノラル
3. DON'T PASS ME BY (1968年)モノラル
4. THE INNER LIGHT (1968年)モノラル
5. ACROSS THE UNIVERSE (1969年)ステレオ
6. YOU KNOW MY NAME(LOOK UP THE NUMBER) (1970年)モノラル
7. SGT. PEPPER INNER GROOVE (1967年)ステレオ
こちらの米国盤は、「キャピトルも、やるときゃやるね!」と称賛すべき出来栄えです。英国盤の内容は「オリジナル・アルバム未収録の楽曲を集めた」わけですが、散々語ってまいりました通り、米国キャピトルでは「勝手にオリジナル・アルバム未収録も加えてアルバムを乱発していた」のです。ゆえに、英国仕様の「RARITIES」は米国では「珍しくも何とも無いじゃん!」となりました。そこで「ホントに珍しい音源を集めようじゃないか」とばかりに色々と探して編集したのです。リンゴがドラムを叩いた「LOVE ME DO」や、ミックスが大きく異なる「HELTER SKELTER」と「DON'T PASS ME BY」のモノラル・ヴァージョンなどは、現在ではCD化されましたが当時は貴重でした。「ホワイト・アルバム」は米国ではステレオでしか発売されていなかったし、此のアルバムが出た当時の日本でもビートルズのアルバムはステレオが基本フォーマットでした。そんな状況でコレを聴いたのですから、「ミックス違いの魔境」へズルズルと引きずり込まれたわけですよ。
そして、「AND I LOVE HER」のエンディングが長いヴァージョン、「I AM THE WALRUS」の新たにツギハギしたヴァージョン、「PENNY LANE」のエンディングにトランペットが入るヴァージョン、などはCD化されておりません。ジャケットも内側に伝説の「ブッチャー・カヴァー」を配し、丁寧な曲目解説もあって凝っています。尚、最後の「SGT. PEPPER INNER GROOVE」とは「A DAY IN THE LIFE」の後に入っている「意味不明な会話」です。米国ではアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」最後のオチをカットして発売されていたのです。他にも何故か「I'M ONLY SLEEPING」の普通のステレオ・ヴァージョンなんかも入っていますけど、制作途中にキャピトルで先に「YESTERDAY AND TODAY」(よーするに「ブッチャー・カヴァー」)に無理矢理入れて発売しちゃったから、正規ヴァージョンが米国ではレアになっちゃったわけだ。う〜む、キャピトルを褒めてはイカンのかもしれないぞ。
(小島藺子)
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