プロデューサー:ジョージ・マーティン
エンジニア:ノーマン・スミス、ジェフ・エマリック、他
歌と演奏:ザ・ビートルズ
(録音:1964年1月29日〜1969年4月18日)
1970年2月26日(米国)、1979年5月11日(英国) アルバム発売
アップル(キャピトル) SO-385 / SW-385、パーロフォン PCS-7184 (ステレオ)
side-A
1. CAN'T BUY ME LOVE (1964年)
2. I SHOULD HAVE KNOWN BETTER (1964年)
3. PAPERBACK WRITER (1966年)
4. RAIN (1966年)
5. LADY MADONNA (1968年)
8. REVOLUTION (1968年)
side-B
1. HEY JUDE (1968年)
2. OLD BROWN SHOE (1969年)
3. DON'T LET ME DOWN (1969年)
4. THE BALLAD OF JOHN AND YOKO (1969年)
1973年にベスト盤である「赤盤」と「青盤」の計四枚54曲入りを出し、1976年には全シングルを再発し箱も出し、編集盤「ROCK'N'ROLL MUSIC」二枚組28曲入りを出し、1977年にはライヴ盤「THE BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL」と編集盤「LOVE SONGS」二枚組25曲入りを出して、もう万策尽きたかと思われました。然し!英国では1976年11月にチャッカリと米国編集盤仕様の「MAGICAL MYSTERY TOUR」も発売しやがったのです。其れは、後の伏線でした。可哀相なのは、そんなビートルズ再燃ブームを起こそうという最中にベスト盤を出してしまったジョージ・ハリスンです。EMIとの契約が切れたから出したわけですが、ジョンやリンゴが契約中にギリギリで出してソロ作品のみで構成できたのに、うっかり契約切れ後に持ち越しとなったジョージは「A面はビートルズ時代、B面はジョージのソロ時代」と云うトンデモ編集盤にされてしまったのだ。
ベスト盤も編集盤も出して、次にやらかしたのは「全集箱」でした。1978年11月に遂にビートルズの箱が登場します。其の名も「THE BEATLES COLLECTION」!14枚組のレコード全集でございます。内容は、英国オリジナル・アルバム全12作(13枚)に、アルバム未収録曲を集めた「RARITIES」(後に詳細を語ります)を加えたものでした。「う〜む、コレで完璧だ!」と思ったら大間違いでありまして、米国編集盤「MAGICAL MYSTERY TOUR」が入っていないのだよ。「RARITIES」にも、米国編集盤「MAGICAL MYSTERY TOUR」収録曲は一切合切収録されていないのです。となりますとですね、アルバム「YELLOW SUBMARINE」にも収録されている「ALL YOU NEED IS LOVE」以外の10曲は聴けないのです。なるほど、其れで先にバラ売りで出しやがったのか。いや、待てよ。他にも聴けない曲があるじゃまいか。1966年までのシングル曲は「A COLLECTION OF BEATLES' OLDIES」を買えばフォロー出来るけど、其の後はどーなっとるのだ?「RARITIES」にはB面しか入ってないじゃん。
そこでですね、アメリカでは1970年に出した編集盤「HEY JUDE」を9年も経ってイギリスでも出しやがったのです。イチオー、当時のアルバム未収録シングルを集めた編集盤だったのだけど、何故か最初の二曲が「A HARD DAY'S NIGHT」からの選曲となっております。コレはですね、「A HARD DAY'S NIGHT」の米国サントラ盤はキャピトルではなくユナイテッド・アーティスツから発売されたので、うっかり此の二曲をキャピトルのアルバムに収録していなかったからなのだ。当然乍ら、CD化されていません。ジャケットは好いのだけどアナログ盤を買えばええだけです。てなわけで、14枚組の箱「THE BEATLES COLLECTION」と「A COLLECTION OF BEATLES' OLDIES」と「MAGICAL MYSTERY TOUR」と「HEY JUDE」の合計17枚を買えば全部集まるのかしらん。と思ったら大間違いで、「GET BACK」と「LET IT BE」のシングル・ヴァージョンが無いのだよ。其れは「青盤」にしか入ってなくて、「青盤」を買うと「HEY JUDE」は「RAIN」のステレオ・ヴァージョンくらいしか有り難味がなくなってしまうのだ。それで「青盤」しか買わないんじゃ変だから「赤盤」も買うと「オールディーズ」はいらなかったじゃん!って事になってしまうのですよ。
よーするに、14枚組の箱「THE BEATLES COLLECTION」と「MAGICAL MYSTERY TOUR」と「赤盤」と「青盤」の合計19枚で、とりあえず213曲揃うってカラクリです。現在ではCDの箱を買えば済む話なのに、とんでもないですよね。そもそも「THE BEATLES COLLECTION」って箱だったら「MAGICAL MYSTERY TOUR」も入れてシングルA面曲も全部入れた大全集にしなきゃアカンでしょ。わざわざ箱を売る前後に米国仕様の「MAGICAL MYSTERY TOUR」と「HEY JUDE」をバラ売りしやがったから確信犯ですよ。特に「HEY JUDE」を出したのは姑息です。箱まで買う輩だったら「赤盤」と「青盤」もとっくに買っているに決まっているじゃん。てか、1976年のシングル箱を買っていたら「赤盤」と「青盤」もいらないじゃん。挙句に、1981年にはEP盤の箱を出しやがるのだ。そしたら「MAGICAL MYSTERY TOUR」もいらないだろ。普通に全オリジナル・アルバムと全シングルと全EPをまとめりゃええじゃん。あっ。其れだと「BAD BOY」と「ACROSS THE UNIVERSE」バード・ヴァージョンが抜けてしまうぞ。う〜む、こりゃ困ったナァ。
(小島藺子)
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