プロデューサー:ジョージ・マーティン、フィル・スペクター
エンジニア:ノーマン・スミス、ジェフ・エマリック
歌と演奏:ザ・ビートルズ
(録音:1962年9月11日〜1970年4月1日)
1977年10月21日(米国)、11月19日(英国) アルバム発売
キャピトル SKBL-11711、パーロフォン PCSP-721 (ステレオ)
side-A
1. YESTERDAY (1965年)
2. I'LL FOLLOW THE SUN (1964年)
3. I NEED YOU (1965年)
4. GIRL (1965年)
5. IN MY LIFE (1965年)
6. WORDS OF LOVE (1964年)
7. HERE, THERE AND EVERYWHERE (1966年)
side-B
1. SOMETHING (1969年)
2. AND I LOVE HER (1964年)
3. IF I FELL (1964年)
4. I'LL BE BACK (1964年)
5. TELL ME WHAT YOU SEE (1965年)
6. YES IT IS (1965年)
side-C
1. MICHELLE (1965年)
2. IT'S ONLY LOVE (1965年)
3. YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL (1965年)
4. EVERY LITTLE THING (1964年)
5. FOR NO ONE (1966年)
6. SHE'S LEAVING HOME (1967年)
side-D
1. THE LONG AND WINDING ROAD (1970年)
2. THIS BOY (1963年)
3. NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN) (1965年)
4. YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY (1965年)
5. I WILL (1968年)
6. P.S. I LOVE YOU (1962年)
「ロケンロールの寄せ集めも売れた!そして、大昔のライヴ盤も売れた!やっぱり、ビートルズは何でも出せば売れるのだ!!」と調子に乗ったレコード会社は、今度は「ラヴ・ソング集で一儲けしようぜ」と二枚組編集盤を発売します。二枚組2セット計四枚組のベスト「赤盤」と「青盤」は1973年発売で、其れとはなるべくダブリが無い様に編集したロケンロール集二枚組「ROCK'N'ROLL MUSIC」が1976年発売です。其れで、1977年にまたしても編集盤二枚組って、何じゃそりゃ?合計八枚も買うなら、オリジナル・アルバムを集めた方がええじゃん。しかも此の「LOVE SONGS」は「25曲」入りとケチった挙句に、「赤盤」&「青盤」と「9曲」もダブっております。好い点を挙げれば「リンゴの歌が、一曲も入っていない!」ってトコかしらん。
選曲は、またしても何故か東芝EMIが行い、米キャピトルが修正しました。日本としては「ロケンロール集が出たから、次はバラード集でしょ」てなもんやで、定番の「HEY JUDE」や「LET IT BE」なども加えた大甘な選曲をしたらしいです。ところが、米キャピトルは「LOVE SONGS って云ったのに、何を考えてんだ?」と歌詞の内容を重視した内容に変えたのです。まあ、それにしたってトロリンコな展開となっておりましてですね、特にポールの寝ぼけ節が多く収録されておりますので、コレだけ聴いたら「ポールはロックじゃないからナァ」なんぞと云う頓珍漢な感想が出ても仕方ないでしょう。
目玉は当時はシングルB面のみでしか聴けなかった「THIS BOY」と「YES IT IS」が収録されているトコなのですけど、期待ハズレの「擬似ステレオ」でした。「P.S. I LOVE YOU」も擬似ステレオで、「THE LONG AND WINDING ROAD」のミックスも米盤「青盤」仕様で、アルバム「RUBBER SOUL」からの曲は明らかにリミックスされていたりもします。曲順は年代順ではなく、ランダムに甘いビートルズ・メロディーが続きます。発売当時には「流石に、コレは如何なものか?」とへたり込んだ記憶もありますが、後にもっと甘い「THE BEATLES' BALLADS」なんてトンデモ盤も出てしまいますから、まだまだこんなもんで驚いてはいけません。ナンダカンダ云って、大して宣伝もしなかったのに売れました。此の作品も、CD化されていません。歳をとったせいなのか、今聴いてみたらコレはコレで「結構泣ける」から困ったもんですよ。
(小島藺子)
【関連する記事】