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2012年10月04日

「ROCK'N'ROLL MUSIC」INDEX

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 プロデューサー:ジョージ・マーティン、フィル・スペクター
 エンジニア:ノーマン・スミス、ジェフ・エマリック、ケン・スコット、他
 歌と演奏:ザ・ビートルズ

 (録音:1963年2月11日〜1969年1月30日)

 1976年6月7日(米国)、6月11日(英国) アルバム発売
 キャピトル SKBO-11537、パーロフォン PCSP-719 (ステレオ)


side-A

1. TWIST AND SHOUT (1963年)
2. I SAW HER STANDING THERE (1963年)
3. YOU CAN'T DO THAT (1964年)
4. I WANNA BE YOUR MAN (1963年)
5. I CALL YOUR NAME (1964年)
6. BOYS (1963年)
7. LONG TALL SALLY (1964年)

side-B

1. ROCK AND ROLL MUSIC (1964年)
2. SLOW DOWN (1964年)
3. KANSAS CITY 〜 HEY,HEY,HEY,HEY (1964年)
4. MONEY(THAT'S WHAT I WANT) (1963年)
5. BAD BOY (1965年)
6. MATCHBOX (1964年)
7. ROLL OVER BEETHOVEN (1963年)

side-C

1. DIZZY MISS LIZZY (1965年)
2. ANYTIME AT ALL (1964年)
3. DRIVE MY CAR (1965年)
4. EVERYBODY'S TRYING TO BE MY BABY (1964年)
5. THE NIGHT BEFORE (1965年)
6. I'M DOWN (1965年)
7. REVOLUTION (1968年)

side-D

1. BACK IN THE U.S.S.R. (1968年)
2. HELTER SKELTER (1968年)
3. TAXMAN (1966年)
4. GOT TO GET YOU INTO MY LIFE (1966年)
5. HEY BULLDOG (1969年)
6. BIRTHDAY (1968年)
7. GET BACK (1970年)


ビートルズは、1976年2月6日に1967年に交わした「9年間のレコーディング契約」が切れました。其れでようやくビートルズだった四人は、晴れて自由の身となったわけです。遂にビートルズは完全に解散した!と思ったら大間違いで、なな、なんと、EMIには「過去に発表されたビートルズ音源を再発出来る!」との権利が残ったのでした。「赤盤」と「青盤」がバカ売れしましたし、海賊盤「ΑΩ」も懲りずに第二弾四枚組を出しやがりましたから、こりゃもう「公式盤でガツン!とやらねばならぬっ」とばかりに編集盤を出したわけですよ。第一弾は「ロケンロール集」となりました。選曲は何故か東芝EMIが行い米キャピトルが最終決定するのですが、二枚組で28曲とロケンロールの名演を集めております。

「赤盤」&「青盤」とダブるのは4曲のみで、其の内の1曲「GET BACK」は「青盤」収録のシングル・ヴァージョンではなくアルバム・ヴァージョンですから、実に良心的な選曲でした。しかも、当時は英国オリジナル・アルバム未収録だったEP盤「LONG TALL SALLY」4曲とシングルB面でしか聴けなかった「I'M DOWN」も「初のステレオ!」で入っていたのです。「PAST MASTERS」が在る現在では有り難味は無いでしょうけど、当時は事件でした。どーせなら「DRIVE MY CAR」と「REVOLUTION」と「BACK IN THE U.S.S.R.」も外して、「SHE'S A WOMAN」とか「EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT ME AND MY MONKEY」とか「ONE AFTER 909」とかを入れたらもっと好かったのにね。でもですね、「赤盤」と「青盤」で知った「遅れて来たビートルズ世代」にとって、生まれて初めて手にしたビートルズの新作はコレでした。

此のアルバムは、ジョージ・マーティンが「こんな音じゃ出せん!」とノー・ギャラでリミックスしました。然し「ビートルズの音源に手を加えてはイカン!」とする英国では元の侭で発売され、「いい音になった方がええじゃん!どーせ、ノー・ギャラだしさ」との米国ではマーティンによるリミックスが採用されています。ジャケットも英米では紙質が異なり、米盤はギンギラギン!でした。優柔不断な日本は「音源は英国盤の元の侭で、ジャケットは派手な米国盤のギンギラギン仕様」と云う「最もつまらない選択」をしております。ジャケット・デザインは、ジョン・レノンが自ら「ロケンロール集なら、俺様の出番だろ?」と立候補したのに却下され、何だかヘンチクリンなイラストにされてしまいました。

内容は、もう1976年当時でも「イエスタデイでしょ?あたし好きだな(片瀬那奈ちゃん声で)」となっていた世間の印象を覆そうと、「ビートルズはロック・バンドだったのだ!」とロケンロール路線の楽曲を集めたものです。前述の通り、三年前に発売され売れ続けていた「赤盤」&「青盤」との重複曲を出来るだけ避けたかったからか、カヴァー曲が12曲も収録されています。些か初期の楽曲が多く、中期や後期が駆け足すぎるきらいもありますし、リンゴ・スターが3曲も歌っていやがるのも気に食わないものの、なかなか好い編集盤です。コレがCD化されていないのは、残念ですね。でも、ジャケットは酷い。後に廉価版でバラ売りされた時のジャケットも酷かったナァ。其れでも、売れました。シングル・カットされた曲もヒットしました。昔の音源を集めただけでバカ売れしちゃうなんて、こんな美味しい商売はないわけで、其れは2012年の現在まで延々と続いております。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする