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w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック、フィル・マクドナルド
2E:ジョン・カーランダー(7/25-30)、アラン・パーソンズ(8/14)
録音:1969年7月25日(take 1-39)、
7月28日(take 39 に SI 「歌、ギター、エレクトリック・ピアノ、ピアノ」、編集し take 40)、
7月30日(take 40 に SI 「歌、打楽器、ギター」)
STEREO MIX:1969年7月30日(take 40 より 1)、8月14日(take 40 より 20-32、メドレー編集)
1969年9月26日 アルバム発売 (「ABBEY ROAD」 B-7)
アップル(パーロフォン) PCS 7088(ステレオ)
ポール・マッカートニーが書いた楽曲で、前曲であるジョン・レノン作の「POLYTHENE PAM」とは当初からメドレーとして続けて演奏され録音されました。アルバム「ABBEY ROAD」B面メドレーの前半を締めくくる曲で、メドレー全体でもクライマックスを演出するのが「POLYTHENE PAM」から「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」の部分です。此の曲も、実際にポール宅へバスルームの窓から忍び込んだファンの女の子を題材としており、メドレーのクライマックスでジョンとポールが初期からの「追っかけ」を歌ったのは、ファンを大切にするビートルズらしさが現れています。ポールは、泥棒に入られたのにあんまり怒っていないと思われる内容です。ジョージ・ハリスンも翌1970年の三枚組ソロ・アルバム「ALL THINGS MUST PASS」で「APPLE SCRUFFS」と云うそのまんまズバリ「追っかけに捧げた曲」を収録しています。
此の曲は、既に「THE GET BACK SESSIONS」で披露されており、ブルージーでスローな初期ヴァージョンは「アンソロジー3」で聴けます。然し、アルバム「ABBEY ROAD」のメドレーに組み込まれるとなり、アップ・テンポの痛快なナムバーに生まれ変わりました。前述の通り、「POLYTHENE PAM」と「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」のメドレーこそが、最後の「レノン・マッカートニー合作」であり、其れは走馬灯の様にビートルズの歴史を思い起こさせる余りにも感動的な展開です。何度聴いても、あたくしは此の部分で涙腺が崩壊しますよっ。「A→Dsus4→D」のAメロも「A→Dm」のミドル部分も完全なるブルース進行なのに、オチで強引に「G→C→A」とメジャーに持っていくのが「ポール節」です。てか、物凄く単純なコードしか使っていないのだ。そんでもって「Dsus4」が効いているんですよ。「YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY」や、同じ旋律が出てくる「CARRY THAT WEIGHT」でも効果的なコードです。
ジョンとジョージのコーラスも、否が応でも気持ちを高まらせてくれます。ジョージのリード・ギターが滅茶苦茶いいのですけど、ポールはよくぞ思う存分にジョージに弾かせましたね。此れまでだったら「え〜い、下手くそ野郎!どけ、ボクが代わりに弾いてやるぅ!!」となるトコですけど、ポールもたぶん「もう最後になるかもしれないから、ジョージに好きな様に弾かせよう」と思ったのかもしれません。最後は「Oh,Yeah!」と矢張り初期ビートルズの代名詞をポールがキメて終わります。メドレーの第一部が終わり、いよいよビートルズの最後を飾る第二部が始まります。そして、其れは全てポール・マッカートニーが書いた楽曲となるのです。ところで、ポール・マッカートニー宅にバスルームの窓から侵入したのはファンですが、ジョン・レノンは塀を乗り越えて進入しました。
アルバム「ABBEY ROAD」の録音中に、遅刻の常習犯でもあったポールがスタジオに来ないのに激怒したジョンはポール宅へ塀を登って乗り込み、リビングでいちゃついていたポールとリンダを見て更に頭に血が上ります。そして、ジョンが取った行動とは、壁に飾られていた「自分が若い頃に描いてポールに贈った絵」を外し、足で踏みつけて破壊する事だったのです。えっとですね、ジョン・レノン、子供かよっ。元々「キレたら何をするか分からない」と、ジョンは他の三人に恐れられていました。ジョンによる鉄拳制裁も、何度もあったらしいです。挙句に、此の頃は完全なるヘロイン中毒でしたから、最凶最悪だったのでしょう。いきなりだナァと「重大会議をやるぞ!」と云って、集まったみんなの前で、ジョンがたったひとこと「俺は、キリストだ!」と宣言して帰ったとか、トンデモ噺が多々あります。
(小島藺子)
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