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2012年09月07日

FAB4-195:MEAN MR. MUSTARD

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 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ジェフ・エマリック、フィル・マクドナルド
 2E:ジョン・カーランダー(7/24-30)、アラン・パーソンズ(8/14-21)
 録音:1969年7月24日(「Here Comes The Sun-king」 take 1-35)、
    7月25日(take 35 に SI 「歌、ピアノ、オルガン」)
 STEREO MIX:1969年7月30日(take 35 より 1)、8月14日(take 35 より 20-24、メドレー編集)、
         8月21日(メドレー再編集)

 1969年9月26日 アルバム発売 (「ABBEY ROAD」 B-5)
 アップル(パーロフォン) PCS 7088(ステレオ)


ジョン・レノンの作品で、前曲「SUN KING」と始めからメドレーとして演奏されました。然し、此の「MEAN MR. MUSTARD」は1968年にインドで書かれた楽曲のひとつで、1968年5月にジョージ・ハリスン宅で行われたデモ・レコーディングで既に演奏されています。当時のタイトルは「DIRTY OLD MAN」でした。次に登場する「POLYTHENE PAM」も同様で、そうなると既に其の時点でジョンが二曲を関連付けて書いたのか?と思えるでしょう。でも、元々は独立した楽曲であり、「MEAN MR. MUSTARD」に登場する妹の名前は最初は「シャーリー」でした。アルバム「ABBEY ROAD」のメドレーに二曲とも収録する事になったので、マスタードの妹の名前を「パン」に変えて関連性があるようにしたのです。

「MEAN MR. MUSTARD」は、1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」でもリハーサルが行われ、其の際には「MADMAN」と「WATCHING RAINBOWS」と呼ばれる二曲の未発表曲も演奏されています。ジョージが脱退中で、ジョン(ヴォーカル、エレクトリック・ピアノ)、ポール(リード・ギター)、リンゴ(ドラムス)の三人による演奏ですが、特に「WATCHING RAINBOWS」はカッコイイ曲なので完成させて欲しかったと思います。「I'VE GOT A FEELING」に発展したとの見方もあり、実際にリハーサルでは「I'VE GOT A FEELING」と「I AM THE WALRUS」とメドレーで演奏されました。

噺が脱線しましたが、「MEAN MR. MUSTARD」に戻すと、エンディングは次の「POLYTHENE PAM」と編集で切れ目なく繋いであります。しかし、実際にはちゃんとしたエンディングがあったのです。其れは、何故かアルバムのずっと後で唐突に登場します。前述の通り、メドレーはラフミックスの段階でポールに「一曲気にいらないから、捨てちゃって」と云われて切られます。其の曲は、「MEAN MR. MUSTARD」と「POLYTHENE PAM」の間に入っていました。そしてジョン・カーランダーは、うっかり「MEAN MR. MUSTARD」のエンディングの部分を含めて切ってしまい、其の曲のエンディングを「POLYTHENE PAM」のアタマに残してしまったのでした。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする