w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック(6/28)、ピーター・ボーン(7/2)、ケン・スコット(7/22-23、10/11)
2E:リチャード・ラッシュ(6/28-7/23)、ジョン・スミス(10/11)
録音:1968年6月28日(「Untitled」take 1-5)、
7月2日(take 5 へ SI 「歌」、take 6-15)、
7月22日(take 23-34、take 34 へ SI 「歌」)
MONO MIX:1968年7月23日(take 34 より 1-6)、10月11日(take 34 より 1-2「実質 7-8」)
STEREO MIX:1968年10月11日(take 34 より 1)
1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 D-6)
アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)
二枚組30曲入りの大作「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」の最後を飾る「GOOD NIGHT」は、ジョン・レノンが当時五歳の息子ジュリアン・レノンの為に書いた美しい楽曲です。然し、ジョンは当初から自分で歌う気はなく、リンゴ・スターに歌わせたのでした。セッションの最初では、ジョンが弾くアコースティック・ギターでリンゴが歌っていたのですが、残念ながら其のヴァージョンは破棄されたようで海賊盤でも聴く事は出来ません。其の初期ヴァージョンを元にジョージ・マーティンがスコアを書き、オーケストラとコーラスをバックにリンゴが歌うカタチで完成されます。1968年7月22日に行われた歌入れのセッションでは、リンゴがノリノリだったそうです。其れで満足しちゃって、脱退騒動を起こしたのかもしれません。つまり、此の楽曲にはビートルズのメムバーではリンゴしか参加していないのです。「THE BEATLES」と云うタイトルなのに、最後はオーケストラをバックにリンゴが歌って終わってしまうのだ。
此の前に収録された「REVOLUTION 9」もジョン・レノンが作りました。そして、次に来るアルバムを締めくくる「GOOD NIGHT」も、ジョン・レノンが書いたのです。更に云えば、「REVOLUTION 9」の前もジョンが書いた「CRY BABY CRY」ですし、アルバム最終面の一曲目もジョンの「REVOLUTION 1」です。「ホワイト・アルバム」の最終面であるD面は、6曲中4曲がジョン・レノンの作品なのです。やはり、押さえるべきトコはチャッカリとジョンが占めているのだ。B面ではポール・マッカートニーに主役を譲っておりますが、ラストをガッツリと決めた方がいいわけだ。「1967年のポール主導路線とは何だったのか?」と思えるほどに「ホワイト・アルバム」でのジョン・レノンは気合が入っております。尚、「GOOD NIGHT」のジョン本人がアコースティック・ギターの弾き語りで歌ったヴァージョンは、1969年の「Wedding Album」で聴けますが、ヨーコとの「ベッド・イン」イベントの際に即興で行った演奏ですので、期待して聴くと思いっ切りスカされますよっ。
ビートルズの「ホワイト・アルバム」は、冒頭の二曲がリンゴ脱退中に録音されたものから始まり、最後はリンゴしか参加していない曲で終わります。ポールの完全なるソロ作品が四曲も収録され、ジョンもビートルズ時代で唯一のソロ・レコーディングを発表しました。ジョージは自作にエリック・クラプトンを客演させましたし、四人が揃って演奏した楽曲は全体の半分しかありません。音楽性も、てんでバラバラです。其れなのに、何故か統一感があるのです。ジョン・レノンとポール・マッカートニーが24時間も掛けて曲順を決めたのは、伊達や酔狂ではありません。サー・ポール・マッカートニーが自信満々で言い放った通り「コレは、ザ・ビートルズのホワイト・アルバムだ!何か文句があるか?」なのだ。
でもですね、昨日(8/18)にNHKで放送された「思い出のメロディー」で、またしても小林旭さんが素晴らしいパフォーマンスを魅せて下さいました。ホントに、アキラは歌が上手いナァ。アキラは、もう74歳です。しつこく云いますが、ポールよりもずっと年上ですよっ。ところが、「年齢なんか意識したことないよ。オレは、毎日が誕生日で生まれ変わっている。だから、皆さんも頑張って下さい!」と、平然と言い放ちました。「渡り鳥」のセリフと変わんない云い回しに、シビレたね。アキラは、本物の銀幕のスターです。モノが違い過ぎる!ポール、まだまだ甘いナ。
(小島藺子)
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