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2012年08月16日

FAB4-173:SAVOY TRUFFLE

Home Sweet Home [Analog] Live Phish 13


 w & m:HARRISON

 P:ジョージ・マーティン
 E:バリー・シェフィールド(10/3、5)、ケン・スコット(10/11、14)
 2E:ジョン・スミス(10/11、14)
 録音:1968年10月3日(take 1)、
    10月5日(take 1 に SI 「歌」)、
    10月11日(take 1 に SI 「ブラス」)、
    10月14日(take 1 に SI 「ギター、オルガン、タンバリン、ボンゴ」)
 MONO MIX:1968年10月14日(take 1 より 1-6)
 STEREO MIX:1968年10月14日(take 1 より 1-2)

 1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 D-3)
 アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)


ジョージ・ハリスンが書いた楽曲で、親友のエリック・クラプトンが大の甘党で虫歯で悩んでいる事にヒントを得てチョコレートの名前を織り込んでいます。本当に、クラプトンと仲がいいですね。何せ、嫁まで捕られちゃうんですから。ジョージ宅に遊びに来たクラプトンが虫歯なのに英国マッキントッシュ・フーズ社のチョコレート詰め合わせ「グッド・ニューズ」を食べ捲くっていて、其の箱に書いてあるチョコレートの名前を使って書き始めました。デレク・テイラーが歌詞の一部を手伝ったようです。「We all know Ob-la-di-bla-da」と「OB-LA-DI, OB-LA-DA」を歌い込んだ歌詞も飛び出しますが、前述の通りジョージの皮肉でしょう。

レコーディングは1968年10月3日にトライデント・スタジオで開始され、ベーシック・トラックは、ジョージ・ハリスン(ギター)、ポール・マッカートニー(ベース)、リンゴ・スター(ドラムス)で行われました。10月5日にジョージのリード・ヴォーカルが加えられ、10月11日にアビイロードに移りブラス・セッションがオーヴァー・ダビングされます。此のブラスのスコアは、クリス・トーマスが書いていますが、ジョージ・マーティンが「書いてみなさい」と師匠らしく任せたのです。6人のサックス・プレイヤーによる熱演を、ジョージ・ハリスンはディストーションを掛けて加工してしまいますが、「折角のプレイをこんな風にして、正直、すまんかった!でも、コレが僕が望む音なんだ」と謝罪し、サックス奏者たちも納得したそうです。実に、ジョージらしいですね。ポールだったら、絶対にそんな気遣いはしませんよっ。

10月14日のオーヴァー・ダビングで完成し、オルガンはクリス・トーマスが担当したようです。此のセッションが「ホワイト・アルバム」の最終録音となります。「LONG, LONG, LONG」同様に、此の楽曲にもジョン・レノンは一切関与していません。でも、実際に現場に居なかったのは、ジョンではなくリンゴです。リンゴは10月14日の朝に二週間の休暇を取って、「ホワイト・アルバム」の最終ミックスや曲順などの作業を他の三人とスタッフに丸投げして、家族を連れてイタリアのサルディニア島へ出掛けてしまいましたとさ。おいおい、リンゴ、お気楽だナァ。楽曲は斬新でカッコよく、個人的にはジョージの「ホワイト・アルバム」での四曲中でベストだと思います。「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」は確かに名曲ですが、「SAVOY TRUFFLE」の革新的なサウンドは隠れた名曲と呼ぶべき凄みがあります。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:45| FAB4 | 更新情報をチェックする