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2012年08月12日

FAB4-169:HELTER SKELTER

ヘルタースケルター・オリジナル・サウンド・トラック 魂の叫び (RATTLE AND HUM) 恋のマジックアイ(紙ジャケット仕様)


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン(7/18、10/12)、クリス・トーマス(9/9-10、17)
 E:ケン・スコット
 2E:リチャード・ラッシュ(7/18)、ジョン・スミス(9/9-10、10/12)、マイク・シーディ(9/17)
 録音:1968年7月18日(take 1-3)、
    9月9日(リメイク take 4-21)、
    9月10日(take 21 に SI)
 MONO MIX:1968年9月17日(take 21 より 1)
 STEREO MIX:1968年10月12日(take 21 より 1-5)

 1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 C-6)
 アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)


ポール・マッカートニーが書いた楽曲。当初はアコースティック・ギターの弾き語りで披露され、ビートルズとしてのセッション(7/18)ではブルース調でスロー・テンポの演奏でした。take 1 は10分以上、take 2 も12分以上、そして take 3 は、なな、なんと27分以上も続きました。take 2 を4分半余りに編集したヴァージョンが「アンソロジー3」で聴けます。然し、ポールは「THE WHO」のピート・タウンゼントがインタビューで「俺たちの新曲(「恋のマジック・アイ(I Can See for Miles)」)は、史上最高に激しく喧しい妥協のない曲だ!」と云ったのに、メラメラっと燃えてしまいまして「だったら、ビートルズはもっと凄いのをやってやろーじゃないの」と、ウルトラ・ハードなリメイク(9/9)を敢行したのでした。

ポール(ヴォーカル、リード・ギター)、ジョン(六弦ベース、コーラス、サックス、効果音)、ジョージ(リズム・ギター、コーラス、効果音)、リンゴ(ドラムス)、のビートルズ四人に、マル・エヴァンスがトランペットで参加しています。でも、ジョンのサックスやマルのトランペットは、喧しい音に埋もれてよく聴こえません。完全に発狂したビートルズによる、しっちゃかめっちゃかな騒音が鳴り響きます。ステレオでは一旦フェイドアウトした後にふたたびフェイドインし、リンゴ・スターの「I got blisters on my fingers !(指にマメができちゃった!)」と云う叫び声で終わっています。本当に滅茶苦茶なドラミングをやらかしてマメができてしまった「マジ発言」です。然し、モノラルではフェイドアウトして終わってしまうので、リンゴの魂の絶叫は聴けません。リンゴは、ライヴで此の叫び声までレパートリーにしちゃってます。何だかナァ。

「HELTER SKELTER」は、1969年に起こったチャールズ・マンソンによる惨殺事件に影響を与えた曲と云われています。マンソンは此の曲だけではなく「ホワイト・アルバム」の様々な楽曲が自分に啓示を与えたなどと発言しました。ビートルズも事情聴取されたらしいのですが、勿論そんなのはマンソンの妄想です。然し、余りにも悲惨な事件に関連していると云われた為に、ポールはずっと此の曲を封印していました。U2がライヴで披露した時にはボノが「チャールズ・マンソンがビートルズから盗んだ曲を盗み返してやったぜ!」と宣言しています。ポール自身も2005年からライヴの定番曲として復活させました。てか、還暦過ぎてからやる曲かよっ。

内容は、ポールお得意の下ネタ全開の単なるエロ唄にすぎません。1993年のポール来日公演の時に、前座でショート・フィルムが上映されたのですけど、自然保護を訴える意図で動物が虐待されている映像のバックに在ろう事か「HELTER SKELTER」をポールは流しやがったのだよ。ポールって、「LIVE AID」で「LET IT BE」をやるわ、「9・11」で「I'M DOWN」をやらかすわ、先日の倫敦五輪開会式でも「THE END」をやっちゃうわ、どーもネジが外れているとしか思えません。尚、岡崎京子さんのマンガと、其れを原作とした沢尻エリカ様主演の映画「ヘルタースケルター」は、タイトルは此の曲からの引用でしょうけど、内容は何ら関連性はありません。でも、エリカ様が好きだから貼りました。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする