


P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック(6/26-27、7/1)、ケン・スコット(7/23、10/12)
2E:リチャード・ラッシュ(6/26-27、7/1、23)、ジョン・スミス(10/12)
録音:1968年6月26日(「Untitled」リハーサル)、
6月27日(「Untitled」take 1-6、take 6 を編集し take 7-8、take 8 に SI)、
7月1日(take 8 に SI 「ベース」、編集し take 9-10、take 10 に SI 「歌」)、
7月23日(take 10 に SI 「歌」、編集し take 11-12、take 12 に SI 「コーラス、手拍子」)
MONO MIX:1968年7月23日(take 12 より 1-5)、10月12日(take 12 より 1「実質 6」)
STEREO MIX:1968年10月12日(take 12 より 1)
1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 C-4)
アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)
ジョン・レノンが書いた痛快なロケンロールですが、デモの段階ではアコースティック・ギターの弾き語りでテンポも完成版よりもゆったりしていました。ビートルズの四人でベーシック・トラックを録音し(6/27)、ベスト・トラックとなった「take 6」を編集する際にスピードアップしたので、バタバタと片瀬那奈ちゃんが演じた大久保千秋の足運びの如く「ハタ坊だジョー!」と云うべき早急な感じに仕上がっています。内容は、ジョンがヨーコとの関係を歌ったもので、当初は「Come On,Come On」と云うタイトルを考えたものの「当たり前過ぎる」と却下し「EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT ME AND MY MONKEY」と云うビートルズの楽曲では最も長いタイトルとなりました。実際には「EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT FOR ME AND MY MONKEY」と歌われております。
そして、其のフレーズを一気に畳み掛けて歌うジョンが素晴らしい。ジョージ・ハリスンのリード・ギターも決まっています。エンディング近くになると乱痴気騒ぎ状態となり、発狂したジョンの叫び声が凄まじいです。コレは、一旦は「7/1」に録音したリード・ヴォーカルを「7/23」に録音し直したもので、リチャード・ラッシュによれば「ジョンは、月の住人みたいな声にしたい、とか云っていました」との事です。もう、訳が分かりません。ビートルズのスタッフって、さぞかし大変だったでしょうね。自分の声が嫌いだったジョンは、生涯を通じて様々な方法で声を加工しようと考え実行していました。此の時期には重度のヘロイン中毒状態でもあり、完全にぶっ飛んでいます。ラッシュは後に「ジョンの魂」でもエンジニアを務め、正にジョンの魂の絶叫を記録する事となります。
(小島藺子)
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