

w & m:LENNON / McCARTNEY
P:クリス・トーマス(9/18)、ジョージ・マーティン(10/14)
E:ケン・スコット
2E:マイク・シーディ(9/18)、ジョン・スミス(10/14)
録音:1968年9月18日(take 1-20、take 20 をコピーし take 21-22、take 22 に SI)
MONO MIX:1968年9月18日(take 22 より 1)
STEREO MIX:1968年10月14日(take 22 より 1)
1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 C-1)
アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)
「ホワイト・アルバム」の二枚目の最初に登場するナムバーで、ポール・マッカートニーとジョン・レノンの合作です。クリス・トーマスは「主にポールが、スタジオでサラサラっと書いた」と証言しておりますが、ポール自身が「紛れも無く、ボクとジョンで半分ずつ協力して書いた合作さ」と云い、ジョンも「ポールがバースデイ・ソングを書きたいって云って、二人でスタジオで書いたよ。コレは合作だね」と云っております。「ホワイト・アルバム」では唯一、二人でリード・ヴォーカルを担当しておりますので、正真正銘の「レノン・マッカートニー」作品なのでしょう。何より、二人とも楽しそうです。
1968年9月18日に、BBCで映画「女はそれを我慢できない(The Girl Can't Help It)」が放送されるので、其の日のセッション中にアビイロード・スタジオの近所にあるポール宅で観ようと決めていたのだそうです。「I'M DOWN」でパクった時にも観て、わざわざレコーディングを中断してまた観るとは、ポールはよっぽど「女はそれを我慢できない」がお好きなのですね。スタジオにポールが最初に来て「BIRTHDAY」を書き始め、続いてやって来たジョンが手伝って、曲が出来てしまいます。其の侭、ビートルズの四人でベーシック・トラックを録音し、予定通りにポール宅で映画を観て、ふたたびスタジオに戻りオーヴァー・ダビングしモノラル・ミックスまで完成させてしまいました。よーするに、一日で曲を書いて録音し完成させちゃったのだ。しかも、途中で映画を観ているのですよ。ノッテル時のレノマカってスゲェ!
ツイン・リード・ギターは、ジョンとポールで、ジョージが六弦ベース、リンゴのドラムスの編成です。ポールはピアノも弾いております。ヨーコとパティがコーラスで加わっており、ビートルズの四人とマル・エヴァンスと共に手拍子も打っております。「ホワイト・アルバム」のB面はソロ志向が強い楽曲が多く収められていて、完全なるポールのソロが2曲、ジョンのソロが1曲ありました。ところが、二枚目の冒頭ではジョンとポールが仲良く歌う痛快なロケンロール「BIRTHDAY」となるのです。「ホワイト・アルバム」で純然たる「レノン・マッカートニー」の合作は「BIRTHDAY」しかありません。いえ、初期は兎も角として、中期以降で二人でガップリと組んで曲を書くのは珍しい事でした。其れをアルバムのど真ん中に配置するのが、実に憎い演出です。
(小島藺子)
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