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2012年08月05日

FAB4-162:I WILL

music & me Bye Bye Love [DVD]


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:クリス・トーマス(9/16-17、26)、ジョージ・マーティン(10/14)
 E:ケン・スコット
 2E:マイク・シーディ(9/16-17、26)、ジョン・スミス(10/14)
 録音:1968年9月16日(take 1-67、take 65 をコピーし take 68)、
    9月17日(take 68 に SI 「バック・ヴォーカル、マウス・ベース、アコースティック・ギター」)
 MONO MIX:1968年9月26日(take 68 より 1-2)
 STEREO MIX:1968年10月14日(take 68 より 1)

 1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 B-8)
 アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)


ポール・マッカートニーが書いて、アコースティック・ギターの弾き語りで歌っています。声でベース音をやっているのもポールです。ステレオとモノラルでは、其のポールによる「なんちゃって、マウス・ベース」の入るタイミングが違っています。元々はインドで書いた楽曲のひとつで、後に妻となるリンダに捧げた楽曲となりました。えっと、確かインドには「ジェーン・アッシャーを連れて行った」気がするのですけど、、、。ジョージ・マーティンが休暇中に録音されましたので、これまた「ポールのソロ作品」と云えるでしょう。クリス・トーマスは「居ただけ」です。しかし!此の曲のレコーディングは延々と「67テイク」も繰り返されたのですけど、ポールだけではなく、ジョン・レノンとリンゴ・スターがパーカッションを担当し、ずっと付き合っていました。そうです、其の通りです。ジョージ・ハリスンだけがハブにされていたのです。

とても愛らしい楽曲ですが、元ネタは「WITH THE BEATLES」でカヴァーしている「TILL THERE WAS YOU」です。正に、ポールは「パクリの天才!」なのだ。67テイクもやらかしたので、ギターを持ったら止まらないポールは、「Step Inside Love」、「Los Paranoias」、「The Way You Look Tonight」、などなど様々な曲をアドリヴで披露しました。其の中のひとつである「Can You Take Me Back」の断片が、正式音源としてノン・クレジットでアルバムのD面(「CRY BABY CRY」「REVOLUTION 9」の間)に収録されています。ポールは即興がお得意ですから、6月13日に行われたとされる「BLACKBIRD」のリハーサル音源でも「HELTER SKELTER」(エリカ様主演映画ではありません。てか、こっちがオリジナル!)や未発表の「Gone Tomorrow Here Today」なんかを弾き語りで歌い捲くっております。

ポール、ジョン、リンゴの三人でのセッションは、和気藹々としたムードで行われていた様子が「アンソロジー3」や海賊盤で聴けますが、ジョージはどんな気持ちだったのかしらん。当時のジョージは、いつまでも子分扱いするポールを憎悪していたでしょうし、ポールも云う事を聞かなくなったジョージを益々苛めていたと思われます。でも、「アンソロジー」のDVDでは、レコーディングには参加しなかったジョージが弾くウクレレでポールとリンゴの三人で和やかに歌う「1990年代の姿」を観ることが出来ます。リンゴが「インドではどんな曲を書いたの?」と訊くと、ポールが「I WILL」と応え、すぐさまジョージがウクレレで弾くのです。結構「じ〜ん」と来る場面でした。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする