w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ケン・スコット
2E:ジョン・スミス
録音:1968年8月15日(take 1-9、take 9 を編集した take 10 に SI
「ドラム、ベース、ハモニカ、ハーモニウム、ピアノ、コーラス」)
MONO MIX:1968年8月15日(take 10 より 1)
STEREO MIX:1968年10月10日(take 10 より 1)
1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 B-5)
アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)
ポール・マッカートニーがインドで書いた曲のひとつで、ジョン・レノンとドノヴァンの三人でギターを弾いている時に思いついたので、二人が手伝ったようです。詩は、ポールがお得意の物語風ですが、曲は出だしがディラン風に語り口調で始まるフォーク・ロックです。タイトルは、始めは「Rocky Sassoon」でしたが変更されました。主人公の人名で「アライグマの歌」ではありません。「ホワイト・アルバム」のB面は「マーサ(犬の名前)」「ブラックバード」「ピッギーズ」「ラクーン」と動物関連の曲名が集まっていますけど、動物を歌った曲はひとつもないのです。8月15日のセッションで、録音からモノ・ミックスまで一気にやっつけております。ポールは歌詞を未完成状態で録音に臨み、歌いながら作っていきました。
ベーシック・トラックは、ポール(ヴォーカル、アコースティック・ギター)、ジョン(六弦ベース)、リンゴ(ドラムス)で行われ、別トラックのドラムとベースを重ね、其れにジョンのハモニカとハーモニウム、ジョージ・マーティンのホンキー・トンク・ピアノが加えられ、最後にジョン、ポール、ジョージの三人でバック・ヴォーカルを入れて完成しました。ジョンがビートルズの曲でハモニカを吹いたのは、此の曲が最後でした。演奏に参加していないジョージ・ハリスンは、バック・ヴォーカルの録音になるまで、ずっとコントロール・ルームで待たされていました。リンゴも太鼓を叩けば「お役御免」です。レノン・マッカートニーが優遇されるのは収録曲数だけではなく、現場でも確実に起きていました。もしも、ジョージ・ハリスンが未完成な曲なんぞを持って来たなら、ジョンとポールは那奈時間も掛けて録音なんかしなかったでしょう。
(小島藺子)