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2012年08月01日

FAB4-158:PIGGIES

Live in Japan (Hybr) harrisongs2.jpg


 w & m:HARRISON

 P:クリス・トーマス(9/19-20)、ジョージ・マーティン(10/10-11)
 E:ケン・スコット
 2E:マイク・シーディ(9/19-20)、ジョン・スミス(10/10-11)
 録音:1968年9月19日(take 1-11)、
    1968年9月20日(take 11 をコピーした take 12 に SI 「歌、効果音」)、
    1968年10月10日(take 12 に SI 「ストリングス」)
 MONO MIX:1968年10月11日(take 12 より 1-4)
 STEREO MIX:1968年10月11日(take 12 より 1-2)

 1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 B-4)
 アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)


ジョージ・ハリスンの作品で、作詞の一部を母親とジョン・レノンが手伝ったようです。ジョージ・マーティンが休暇中に録音が開始されましたが、「ただ居ただけ」の新人プロデューサー代理のクリス・トーマスが此の曲ではハープシコードを弾いてビートルズの四人と共に演奏しています。其の時にジョージは「SOMETHING」をクリスに弾き語りして聴かせたらしく、クリスが「最高だね!何故その曲をやらないの?」と絶賛すると、ジョージは「本当にそう思う?だったら、ジャッキー・ロマックスに歌わせようかな」なんぞと応えたそうです。ジョージは既にソングライターとしてのピークへ向っておりましたが、レノン・マッカートニー中心の体制では自作を取り上げてもらえる機会が圧倒的に少なかったのです。クリスによれば、此の曲のセッション中にポール・マッカートニーは既に「LET IT BE」を披露していたそうです。「ホワイト・アルバム」が発売されて僅か一ヶ月後には「THE GET BACK SESSIONS」が始まるので、既にそれらの曲が出来ているのは不思議ではありませんけど、凄いナァ、やっぱり。

内容は人間社会を豚に例えて皮肉ったジョージらしいものですが、ジョージのヴォーカルの一部をわざと鼻声風に加工したりもして、バロック調のユーモアがある楽曲に仕上がっています。豚の鳴き声は、ジョン・レノンの提案で彼が中心となって作られました。休暇から帰って来たジョージ・マーティンが「よし、私も手伝おう」とばかりにストリングスを加えています。ジョージ・ハリスンの1991年来日公演では、多くのビートルズ時代の楽曲も演奏されましたが、まさか此の「PIGGIES」まで聴けるとは思いませんでした。しかも、前半の最後に披露され、ラストの「One More Time」も決めてくれたのですから大受けでしたね。此の曲の最後にジョージがそう云うのは、もう一節あったのを「長げぇし(片瀬那奈ちゃん声で)」とカットされた事への抵抗だったと云われています。実際には此の曲で前半が終わり、エリック・クラプトンのパートへ進みましたが、ライヴ盤では、クラプトンのパートは収録されず、敢えて後半の一曲目だった「GOT MY MIND SET ON YOU」で前半が終わる構成に変えられています。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする