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2012年07月26日

FAB4-152:THE CONTINUING STORY OF BUNGALOW BILL

THE PUNKLES FOR SALE! Grapefruit: A Book of Instructions and Drawings by Yoko Ono


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ケン・スコット
 2E:マイク・シーディ(10/8)、ジョン・スミス(10/9)
 録音:1968年10月8日(take 1-3)
 MONO MIX:1968年10月9日(take 3 より 1)
 STEREO MIX:1968年10月9日(take 3 より 1-2)

 1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 A-6)
 アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)


ジョン・レノンがインドで書いた楽曲のひとつで、5月のデモ録音時には既に完成していましたが、レコーディングは「ホワイト・アルバム」の録音が大詰めになった1968年10月8日に、やはりジョン作で同じ様にとっくに出来上がっていた「I'M SO TIRED」と一気に行われています。イントロの印象的なスパニッシュ・ギターは当時使用していたメロトロンMkIIのサンプル音源で、ビートルズの演奏ではありません。ノヴェルティ・ソングの形態をとっているものの、ジョンは辛辣な社会批判を込めて書いています。ビートルズの四人に加えて、クリス・トーマスがメロトロンで参加し、ヨーコとモーリン(当時のリンゴ夫人)がコーラスに加わっています。ヨーコは、なな、なんと、ワン・フレーズのみですがリード・ヴォーカルまで担当しております。

女性がビートルズの楽曲でリード・ヴォーカルをやらかすなんて、前代未聞であり、此の曲以外にありません。ジョンは「ホワイト・アルバム」で最初に録音された「REVOLUTION 初期ヴァージョン」でも既にヨーコを参加させており、結局その部分は「REVOLUTION 9」で発表されてしまいます。此の曲にモーリンも参加させたり、「BIRTHDAY」にもヨーコと共にパティ(当時のジョージ夫人)を参加させたりしたのは、よーするにジョンが「ヨーコを参加させる為の大義名分をつくる為」だったと思えます。コーラスで最も目立っているのは、リンゴ・スターですけどね。

演奏は敢えて雰囲気を重視している為にかなりラフで、コーラスもリンゴが中心でヨーコにモーリンと素人ばっかが目立っております(おいおい、リンゴの立場は)。挙句に最後にはジョンが「Eh, up!」と叫んで終わってしまいます。アルバムでは次の「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」に曲間なしで繋いであって、其のタイミングが絶妙です。二つは別々に録音されておりミックスで上手く合わせたわけでもなく単純に繋いでいるだけなのですが、其れがズバリ!と決まる辺りはビートルズの真骨頂なのかもしれません。ソロの寄せ集めの様な「ホワイト・アルバム」は、曲順の妙で見事にまとまっているわけです。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする