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2012年07月25日

FAB4-151:WILD HONEY PIE

ワイルド・ハニー Pixies at the BBC


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ケン・スコット
 2E:ジョン・スミス
 録音:1968年8月20日(take 1)
 MONO MIX:1968年8月20日(take 1 より 1-6)
 STEREO MIX:1968年10月13日(take 1 より 1-2)

 1968年11月22日 アルバム発売 (「THE BEATLES」 A-5)
 アップル(パーロフォン) PMC 7067-7068(モノ)、PCS 7067-7068(ステレオ)


ポール・マッカートニーの作品で、ヴォーカル、アコースティック・ギター、ドラムをひとりで多重録音した完全なるソロです。レコーディングは1968年8月20日に行われましたが、其の日にポールは「MOTHER NATURE'S SON」の仕上げをやっていました。其の時に、ほとんど即興で「ETCETERA」と「WILD HONEY PIE」も録音したのです。「ETCETERA」は未発表となり、「WILD HONEY PIE」も「一分にも満たないお遊び」なので発表する気はなかったのですが、ポールが語るには「(当時ジョージ・ハリスン夫人だった)パティがとても気に入ってくれたので、アルバムに収録した」とのことです。ビートルズは、各メムバーの奥さんとも仲がいいですね。ジョージはリンゴの嫁と仲が良すぎて、自分の嫁は親友のクラプトンに寝取られちゃいますけどね。「ホワイト・アルバム」には同じくポールが書いた「HONEY PIE」もありますが、下ネタ全開!のタイトル以外には全く関連はありません。

さて、ポールがひとりぼっちだった時に、他の三人は何をしていたのでしょう。ジョージは8月17日に勝手にひとりでギリシャへ行き、21日まで帰って来なかったので不在でした。そして、ジョンとリンゴは、別のスタジオで「YER BLUES」「REVOLUTION 9」をやらかしていたのでした。同時進行ではなくて、ジョンとリンゴは17時半で終わり、ポールは20時から始めています。でも、ジョージが不在なので四人によるセッションが出来なくなったのに、「ジョン&リンゴ」と「ポール」が同日に別々のセッションを入れたのは事実なのです。そして、ケン・スコットによれば、ポールがジョージ・マーティンやブラス奏者と「MOTHER NATURE'S SON」のアレンジを和気藹々と打ち合わせしていた時に、別スタジオでの作業を終えたジョンとリンゴが唐突に現れて、スタジオの空気が凍りついたそうです。

当然、ジョンとリンゴはさっさと帰ってしまい、哀れポールはひとりでレコーディングを続けるのです。てか、そもそも「MOTHER NATURE'S SON」は、8月9日に他のメムバーが帰った後にひとりで残って録音を始めちゃったわけで、自業自得でしょう。「WILD HONEY PIE」をポールがひとりぼっちで完成させた翌日(8/21)にジョージが帰国し、四人でのセッション(「SEXY SADIE」へのオーヴァー・ダビングと編集)が行われますが、ジョージは途中参加だし、リンゴも何をやったのか分かりません。そして、8月22日にリンゴ・スターが脱退するのです。う〜む、やっぱり、ポールが悪いんじゃまいか。ジョージ・マーティンがプロデューサーとなっておりますが、彼は「MOTHER NATURE'S SON」をプロデュースしたわけで、まさか即興でやらかした此の曲までアルバムに入れるとは考えていなかったでしょう。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする