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2012年07月10日

FAB4-136:HELLO, GOODBYE

HELLO!THE GOOD-BYE Hello Goodbye ウクレレ・ビートルズ


 w & m:LENNON / McCARTNEY

 P:ジョージ・マーティン
 E:ケン・スコット(10/2〜25)、ジェフ・エマリック(11/1〜15)
 2E:グレアム・カークビー(10/2、25、11/1)、リチャード・ラッシュ(10/19、11/15)、
   フィル・マクドナルド(10/20)、ジェフ・ジャラット(11/2)、ケン・スコット(11/6)
 録音:1967年10月2日(「Hello Hello」take 1-14、take 14 を編集し、take 15-16)、
    10月19日(take 16 に SI 「歌、ギター、コーラス」、編集し take 17)、
    10月20日(take 17 に SI 「ヴィオラ」)、
    10月25日(take 17 を編集し、take 18-21、take 21 に SI 「ベース」)、
    11月1日(「Hello, Goodbye」take 21 を編集し、take 22-25)、
    11月2日(take 22 に SI 「ベース」)
 MONO MIX:1967年11月2日(take 22 より 1-6)、11月15日(take 22 より 10)
 STEREO MIX:1967年11月6日(take 22 より 1-2)

 1967年11月24日 英国シングル発売(最高位:英米1位)
 パーロフォン R 5655(モノ)


ポール・マッカートニーが書いた楽しいポップ・ソングで、TV映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」の先行シングルとして発売されました。然し「MAGICAL MYSTERY TOUR」ではエンディングのアドリブ部分しか使われず、自信作「I AM THE WALRUS」がB面に甘んじたジョンは「エンディング以外は、つまらん!」と酷評しました。ところが、プロモーション・フィルムではジョンが最もノリノリになっているのです。やけくそだったのかもしれませんが、ツイストを踊り出したりとはしゃぎ捲くっています。其のプロモ用(当時の英国ではTV放送で生演奏以外は禁止されていた為)にヴィオラを抜いたモノラル・ミックスが行われていますが(11月15日)、ビートルズ自身が明らかな口パクと擬似演奏のパントマイムを演じていたので英国では放送されませんでした。ポールが監督したプロモは三種類あり、演奏は同じですがそれぞれ衣装も違いビートルズ(特にジョン)の演技も異なります。英国ではシングルのみの発売だったので、ステレオは米国編集盤「MAGICAL MYSTERY TOUR」(1967年11月27日発売)が初出で、英国では1973年の「青盤」まで発表されておりません。

徹底的にお気楽で天然ポールの莫迦丸出しな下らない歌詞は、ジョンが「ふざくんな!」となったのが無理もありません。然し、楽曲はバロック風な下降進行を使いながらも見事な「単なる大衆音楽」として聴かせてしまう「ポール・マジック」が炸裂した名曲です。録音にも時間を掛けており、1967年のビートルズを代表する楽曲のひとつでしょう。ジョンとジョージが弾くツイン・リードギターも、ギンギラギンにさりげなく決まっております。此れが「A面」で、ジョンの傑作「I AM THE WALRUS」が「B面」と云うのが、正にビートルズの恐るべきところです。1967年にジョンが主導だったなら、一般大衆には受け入れられなかったでしょう。何だか難しい楽曲を作る様になった時期にも、誰にでも分かる単純なポップスを出したのは戦略としては間違っておりません。ジョンが前衛志向へと傾けば、ポールがしっかりと大衆路線を守る「バランス」が素晴らしいのです。

ビートルズとしてのライヴは行われておりませんが、作者であるポールが21世紀になってから定番曲としております。現時点では最後の来日公演(2002年)の一曲目も此の曲でしたし、あたくしが初めて生でポールを観れた1990年の来日公演でも、「PUT IT THERE」に続けて「HELLO, GOODBYE」のエンディングが歌われました。2012年現在のライヴでもオープニング曲として披露される機会が多いのですけど、近年の演奏はややスローテンポで「明るく楽しい」だけでなく「ほろ苦い哀愁」も感じさせます。下降進行で展開するバロック風なコードの引用(「G線上のアリア」が元ネタ)は、例えばプロコル・ハルムの「青い影(A Whiter Shade of Pale)」とも共通するわけでして、其の上に「ハロー、ハロー!」なんぞと赤ん坊でも理解できる単純な歌詞とメロディーを乗せてしまうポール・マッカートニーの才気がギラリンコ!と光っているのでした。

ちなみに、プロコル・ハルムの「青い影」は「1967年5月」に発売されておりまして、英国ではチャート首位になっています。ジョン・レノンも絶賛し「1967年の音楽業界で、この曲以外は聴く価値がない」とか「人生でベスト3に入る曲」とまで発言した名曲です。もう、お分かりでしょう。ポールも「青い影」に強烈なショックを受けたのです。そして、おんなじコード進行を弄くりまわして「HELLO HELLO」なる曲をでっちあげたのです。そりゃ、ジョンが「全然たいした曲じゃない、ふざくんな!ポール」と云ったのも無理もないでしょう。此の後もポールは「ラストダンスは私に」から「HEY JUDE」を書いたりしますけど、パクリ癖はデビュー当時からでありまして、ダンダンダンドゥビドゥビダンダンとばかりに「元ネタが分からない」様にする術を学んだのでしょう。ポールは「ビートルズは、世界最大の盗作集団さ!」と云いましたが、えっとですね、ポールが最もパクリ捲くっているわけじゃん。ま、「HELLO, GOODBYE」は、お上手ではあります。でも「パクリで上手い」もないもんだ。全く、ポール、おまいって奴は、、、。


(小島藺子)



posted by 栗 at 00:07| FAB4 | 更新情報をチェックする