
本日、6月18日は、サー・ポール・マッカートニーのお誕生日です。なな、なんと「那奈拾歳」となられました。70歳でも元気溌溂で現役であります。今年2012年は、THE BEATLES と云うバンドがメジャー・デビューして50周年なのですけど、最近のナウでヤングな方々は御存知ないかもしれませんが、其のバンドの一員としてポールはデビューしました。もう半世紀も前の出来事です。ゆえに、2012年は、ポールのデビュー50周年でもあるわけです。
ビートルズと云うバンドは、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの四人組でした。ジョンとジョージは既に亡くなっておりますが、リンゴも含めた三人は解散後にソロとなってから「引退状態」となった時期がありました。ジョンは「主夫」と称して遊び惚け、ジョージは映画制作に没頭、リンゴはアル中と、それぞれ音楽活動を休止してしまいました。ジョンの場合、ビートルズが法的にも解散し、EMIとの契約も満了した時に他のレコード会社との契約をしなかったわけで、完全引退でした。ジョージは自分のレーベルを持っていましたが、ジョンの死後にやる気を失って「僕はもう引退した人間だから」と五年も音楽活動から離れました。復活後も、オリジナル・アルバムを制作中に亡くなってしまいまして、なんとまぁ「クラウド・ナイン」から「ブレインウォッシュド」まで15年近く掛かっております。リンゴはレコードを作っても英米でリリースすらされず、アル中街道一直線のどん底時代を経験しました。
そんな中で、半世紀の間ただひとり音楽活動を継続して来たのがポールです。ビートルズの音楽を作っていたのはポールですし、何より、ポールには音楽を作る事しか出来ないのです。ポールは現在のライヴでも惜しげもなく多くのビートルズ・ナムバーを披露していますが、其れは紛れも無くポールが書いて歌った曲なのですから、ポールが歌うのは当然なのだ。現在、ポール以外のどこのどいつがビートルズを歌って然るべきなのでしょう。しかも、ポールは自分が書いたビートルズ・ナムバーを歌う為に、赤の他人にお金を払っているのですよっ。かつて、ビートルズが解散状態になった頃には、ポールは敢えてビートルズを歌わなかったのです。無理してビートルズらしくない音楽性を求めたりもしました。でも、ビートルズの音楽とはポールの音楽なのですから、どんなに反発しようが無理なのですよ。
ポールが70歳になっても、普通にライヴをやって新作もリリースしていると云う事実だけでも、そりゃあもうトンデモナイのです。此の人は、大昔にビートルズと云うバンドに居て、もう其の時代だけでも十二分に富みも名声も得たのです。其の後も、WINGSやソロで数限りない名曲を生み出したのです。70歳にもなって、ベースをブンブンと弾きながら叫ぶ必要など無い大金持ちなのです。孫に囲まれて楽隠居していても、誰も文句は云わないし、何かの式典とかで挨拶するだけでも構わないのですよ。でも、ポールはやるのだ。かつてのアルバムを再発するだけじゃ、本人が納得がゆかないのです。何故なら、ポールは昔ビートルズだったし、今でもビートルズだからなのだ。サー・ポール、お誕生日おめでとう!もっともっと、暴れて下さい。
(小島藺子)
【関連する記事】
- 「ポールの道」#785「THE BEATLES BLACK VOX」
#094「M.. - 「ポールの道」#784「THE BEATLES BLACK VOX」
#093「K.. - 「ポールの道」#783「THE BEATLES BLACK VOX」
#092「W.. - 「ポールの道」#782「THE BEATLES BLACK VOX」
#091「N.. - 「ポールの道」#781「THE BEATLES BLACK VOX」
#090「B.. - 「ポールの道」#780「THE BEATLES BLACK VOX」
#089「Y.. - 「ポールの道」#779「THE BEATLES BLACK VOX」
#088「T..