何となく、片瀬那奈ちゃんの「第二期女優時代」を振り返っております。そもそも「第二期女優時代」とか云うのは、あたくしが勝手に決めたわけですが、其れは女優復帰した「ラストクリスマス(2004年)」から「潜入刑事 らんぼう2(2007年)」までを指します。其の後に片瀬那奈ちゃんは初舞台「僕たちの好きだった革命(2007年)」を踏み、明らかに演技が変わったので「第三期女優時代」とし、其の期間は昨年(2011年)に司会を中心とした時点で終わり、今年(2012年)からは「第四期女優時代」としています。繰り返しますが、此れはあたくしが独自に考察した見解ですので、うっかり「片瀬那奈の第二期女優時代なんだけどさ」などと公の場で発言されても周りの方々は「ドン引き」されると思われますので御用心。
個人的にも「第三期女優時代」に関しては「一寸、長げぇナ」とも思っておりまして、どこかで区切っても好かったかしらんと考えています。されど「第一期女優時代」と「第一期歌手時代」と「第二期女優時代」は、動かし難い。そして、おそらく「第二期女優時代」が片瀬那奈の歴史で最も苦難の時だったと思っています。女優活動を休止して臨んだ歌手活動を、またしても休止して女優回帰と云う「出戻り」の道を選んだ片瀬クンは、当時未だ23歳だったのに「背伸びした大人の女性」を演じる事となりました。其れが復帰作「ラストクリスマス」での藤澤律子であり、役柄での年齢設定は「26歳」でした。たったの三歳差と思われるかもしれませんが、二年半も女優を休止してのカムバックで、いきなりだナァと厳しい役柄を与えられたと云えるでしょう。
片瀬クンは、女優デビューから歌手転向までの期間には「等身大の役柄」しか演じていません。当時は「グラビア・アイドル」でも在ったので、10代の片瀬那奈ちゃんの成長と共にドラマも進行していたのです。確かに「氷の世界(1999年)」の様なシリアスな作品にも出演しましたが、あくまでも片瀬那奈ちゃんは「アイドル女優」でした。其れが、歌手時代を経て戻って来た場所では通用しなくなっていたのです。復帰三作目となった「離婚弁護士II〜ハンサム ウーマン〜」は、コメディ路線の演技で「第一期女優時代」の輝きを思い起こさせるものでした。此のドラマは、フジテレビ地上波だけでも既に六回も放送されている人気作でもあります。「ラストクリスマス」と「不機嫌なジーン」でスカされ捲くったので、当時のあたくしも大いに「片瀬那奈復活!」と喧伝したものです。
でもですね、どー考えても「あまみん」のバーターで起用されたわけで、其のキャラ設定も過去の焼き直しだったのです。緒方亜紀よりも、柚木さくらや有森みさとや荒木理恵子などの「第一期女優時代」の方が輝いています。若さゆえの暴走が、最早通用しない中途半端な「23歳」の片瀬那奈が過去をなぞった姿は「痛々しい」とも感じられます。つづく同年の二作(「香港バタフライ」「いい男はマーケティングで見つかる」)では主演を務めますが、Web限定作と深夜ドラマで映像作品化もされていません。そして「熟年離婚」と「小早川伸木の恋」へと向かうのですが、正しく「悪戦苦闘」としか云えない状況でした。原作者のフーミンが制作発表で「妙子が居る!」と片瀬クンを褒めたのですけど、あたくしは「冗談じゃない、どこが妙子なのよさ」と憤慨しましたよ。「何ゆえ、片瀬クンがこんなマジキチ嫁を演じなければならんのだ?」と、原作マンガを読んで呆然としたものです。
「離婚弁護士II〜ハンサム ウーマン〜」INDEX
(小島藺子)