此の「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」と云う企画は、「新・夢みる歌謡曲」FAKE 篇 と共に「いつかやってみたいナァ」と温めておりました。此処「the diary of nana katase 片瀬那奈全記録」には、母体であった「COPY CONTROL」から引き継いだ音楽ネタである「FAB4」や「ONDO」と、プロレスを語る「KINASAI」などの、些か「片瀬那奈ちゃんと関係ないじゃん!」と思えるカテゴリがあります。然し乍ら「FAB4」や「ONDO」は「夢みる歌謡曲」と云う「片瀬那奈ちゃんの音楽活動を徹底的に考察した」連載に大きく関わっており(そもそも「夢みる歌謡曲」は「COPY CONTROL」時代に「ONDO」カテゴリで連載が開始されましたし、メインとなった「片瀬那奈全曲解説」は「ビートルズ全曲解説」で試運転して始まりました)、其れから「妄想企画」として派生した「新・夢みる歌謡曲」FAKE 篇 へ繋がっております。「新・夢みる歌謡曲」は、ビートルズなどの海賊盤が多くの元ネタですし、アルバム「RAINBOW」の件はビーチ・ボーイズの「SMiLE」を意識して書きました。「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」も「妄想企画」ですが、此れは実際にあった多くのプロレス名勝負をベースにし、実際に片瀬那奈ちゃんが演じてこられた多くのキャラクターが其の特性を活かしてバーチャル対決する「お祭り」です。更に「未亜イコ対談」の形式で進めておりますので、云わば「KINASAI」と「怪優・片瀬那奈・進化論」と「月刊・未亜」をミクスチャーした試みなのです。
当初は70名を超えるオールスターでのトーナメントや、10名くらいでの総当りリーグ戦も考えましたが、まずは「第壱回」として16名でのトーナメントにしてみました。西豪寺エレナ、高瀬リコ、大久保千秋、美月うらら、の四強を準決勝まで当たらない様に仕組んだのは定番ですが、実は準々決勝での「西豪寺エレナ VS 柏木礼奈」と「姫様 VS 高瀬リコ」を前半のメインとして構想しております。つまり「土下座の師弟対決」と「バッティングの遺恨対決」へと持ってゆく為に、一回戦のマッチメイクを組んでいったのです。高瀬、姫様、大久保と同期生で「土下座」の使い手でもある「藤田千秋」がリザーバーとして準々決勝へ進出したり、同じく「土下座」を得意とする「小野未来」が「美月うらら」に逆転勝利したのは伏線でした。次々と四強から「西豪寺エレナ、高瀬リコ、美月うらら」と三人も敗退してしまう筋書きも予定通りで、如何にして其のハプニングを演出するかに苦心しました。残り五試合は、更なる大波乱が巻き起こる展開となりますが、何ゆえ「西豪寺エレナ、高瀬リコ、美月うらら」が負けてしまったのかが、ひとつのポイントとなります。勝ち負けの絵図は決勝戦まで書いて始めたのですが、流石は片瀬那奈ちゃんだけありまして、試合展開は勝手にキャラクターが動いてしまい、あたくしも予想外の流れになっております。では、此の酔狂な企画に、いま暫くお付き合い下さい。
そして、此の場を借りまして「布谷文夫さん」の御冥福をお祈り致します。あたくしがミクスチャーに目覚めたのは「ナイアガラ音頭」を聴いたからでした。合掌。
(小島藺子)