未亜:年末恒例で、2011年の片瀬那奈ちゃんの女優歴を振り返りましょう。「司会の時」と云われる2011年ですが、片瀬那奈ちゃんは女優としても多くの作品に挑まれております。週に二本のレギュラー司会番組を持ち、CWC中継でも八面六臂の大活躍で、多くのバラエティ番組にも御出演されつつも、本分である「女優」も疎かにしておられないステキな那奈ちゃんを再確認しますよっ。
「ザ・ミュージックショウ」1月2日放送
2011年は此のドラマから始まりました。新春1月2日に放送された此の作品で、片瀬那奈ちゃんは「元・歌手」の「レイカ」をお得意の「ブチキレ怪演」で磐石な「横綱相撲」を魅せました。「天国のKiss(1999年)」「離婚弁護士II〜ハンサムウーマン(2005年)」「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル(2010年)」で共演歴もある戸田恵子さんと、「ジーン・ワルツ(2011年)」「荒川アンダー ザ ブリッジ(2011年、2012年)」と共演が続く桐谷美玲ちゃんの「歌唱対決」を、上から目線で叩き捲くる審査員役でした。主演はエロ男爵ですし、那奈ちゃんは伸び伸びと演じておりました。那奈ちゃんにとっては「十八番」の路線ですので、絶対保証付きの名演ではありますが、チラリとしか映らなかった「レイカさんのPV」などは「もっと見たい!」と思わされます。撮影は、2010年12月です。
「ジーン・ワルツ」2月5日公開
公開は2011年2月となった映画「ジーン・ワルツ」は、撮影は2009年11月でしょう。当時、片瀬那奈ちゃんは「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」と「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」と此の「ジーン・ワルツ」の三本もの映画を同時進行で挑まれたのです。演じたのは「ジャーナリスト」の「田中美紀」で、出番は少ないのですが、流石は「宣伝隊長」の異名も持つ片瀬那奈ちゃんだけに、舞台挨拶にも登壇し、「ネプリーグ」「VS嵐」「笑っていいとも!テレフォンショッキング」などのバラエティ番組にも登場しました。「2001年のおとこ運(2001年)」で共演された菅野美穂ちゃん&田辺誠一さんとのトリオが蘇った事だけでも、個人的には思い入れがある作品となりました。初日舞台挨拶で三人が揃って登壇された時には、思わず「さくら!」とコールしたくなったものです。此処での演技は、当然乍ら「シリアス路線」でした。
「恋する日本語」2月18日放送
2010年夏にパイロット版が放送され、2011年1月〜3月に全8話で連続ドラマ化された「恋する日本語」は、マダム役の余貴美子さんを狂言まわしにして毎回ヒロインが変わる趣向のドラマでした。片瀬那奈ちゃんは第五話「嫉妬のおんなへん」で「人妻」の「葵」を演じています。「テレフォンショッキング」で言及された作品は此れでしょう。基本的に、余さんと那奈ちゃんの「二人芝居」で展開し、ほとんどが長回しの科白が続く難しい演技だったと思います。那奈ちゃんはナレーションも担当しており、正にヒロインですし、パイロット版も含めた全9作中で最も面白かったとは思います。本放送時には物足りないと感じましたが、舞台での経験も活かされた好い演技ですし、シリアスとコミカルを行き来するリアリズムは、片瀬那奈ちゃんらしいと再評価しています。撮影は2011年1月26日〜27日です。
「桜からの手紙」2月26日〜3月6日放送
なな、なんと、片瀬那奈ちゃんが「AKB48」のドラマに客演してしまいましたっ。片瀬クンは「ともちん」こと板野友美ちゃんのお姉さん「板野明日香」をクールに演じております。出演されたのは「ともちん」主演の「イケテル板野」のパートのみで、ほとんどが自宅での姉妹の会話でありまして「ともちん VS かたちん」のガチンコ共演です。正に「格の違い」をまざまざと見せ付けてしまいましたが、他の共演陣も「カタセカイ住人」の高島礼子さん、吹越満さん、上川隆也さん、などの名優を贅沢に起用した「怪作」です。片瀬クンは4月から日テレの「シューイチ」で司会を務めますので、そんな関連もあっての「カメオ出演」だったのかもしれません。撮影は2011年2月で「撮って出し」だと思われます。
「外交官・黒田康作」1月13日〜3月17日放送
2011年最初の連続ドラマ出演となった「外交官・黒田康作」で、片瀬那奈ちゃんは「フリーライター」の「佐々木藍子」を「どシリアス路線」で熱演しました。事件を探る謎の美人フリーライターで、主役の黒田(「ラストクリスマス(2004年)」以来の再共演となった織田裕二さん)に付きまとうのですが、主犯である霜村(香川照之さん)と共謀しており、恋人の圭ちゃん(萩原聖人さん)と三人でテロ行為を行うクライマックスへと向かいます。徹底的なシリアス演技で、昨今の「片瀬那奈はコメディエンヌ」との評価を覆したと云えるでしょう。こうした凜としたシリアスな片瀬クンも、実に宜しい。思えば、女優回帰した「ラストクリスマス」でも、其れまでとは違った「クールビューティー」な片瀬クンが居ました。織田さんは脚本にも意見をするらしいので、那奈ちゃんのシリアスな側面に期待しているのかもしれません。撮影は、2010年10月から12月に行われた模様です。
「サカつく那奈ちゃんねるニュース」6月14日〜7月26日公開
4月からは「シューイチ」と「Oh!どや顔サミット」の司会に抜擢された片瀬那奈ちゃんですが、なな、なんと「ゲームのキャラクター」にもなってしまいました。御本人も語る様に、2011年は本当に色んなお仕事をやられたのですね。ゲームでは「美人秘書」として「CG」による御出演ですが、公式サイトで「サカつく那奈ちゃんねるニュース」と云う擬似ニュース番組企画がありまして、片瀬那奈ちゃんは実写でキャスターの「さかつく ナナ」として登場しました。ゲーマーでサッカー・ファンの片瀬クンは、眼鏡をかけてノリノリで演技しております。ゲーム「J.LEAGUEプロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS」も結構売れたみたいで、好かったですね。
「スジナシ」8月18日放送
前述の通り4月から二本のレギュラー司会を務める事となった片瀬那奈ちゃんですが、7月期の連続ドラマにも二本レギュラー出演されました。其れは後述する「美男ですね」と「荒川アンダー ザ ブリッジ」なのですけど、つまり週に四本ものレギュラー番組となってしまったのです。正に「ナナノナツ 2011」と思われる展開でした。そんな中、遂に待望の「スジナシ」への御出演も実現してしまったっ。「見習いハナちゃん奮闘記〜ハナちゃん危機一髪〜」と題される事となった此の作品は、鶴瓶師匠との即興二人芝居です。鶴瓶師匠とは「アベレイジ(2008年)」でも絶妙の共演がありましたが、此の即興芝居でも実に素晴らしい絡みを魅せて下さいました。完全なる鶴瓶師匠の「セクハラ攻撃」にも、片瀬クンが「柳に風」とばかりにいなす「名勝負」です。個人的には「2011年のベスト怪演」はコレですね。撮影は、2011年7月9日です。
「美男ですね」7月15日〜9月23日放送
撮影が「2011年6月10日〜9月20日」なので、現時点で公開された片瀬那奈ちゃんの女優作品としては最新作となるのが「美男ですね」です。那奈ちゃんは主役のバンド「A.N.JELL」の専属スタイリスト「RINA」を演じました。「那奈ちゃんが、RINA?」と役名だけで大受けしてしまいましたが、後述する「ボクら星屑のダンス」では「那奈ちゃんが、あっちゃん?」との爆裂もありましてですね、全く以って「片瀬クンは楽しませてくれるナァ」と思い知らされました。初回が「どや顔」とバッティングしたり、出番も多くない脇役だったのですけど、矢張り片瀬クンが出て来る場面は面白かったです。台本にはない「どすこいアタック」を繰り出す姿には「高瀬リコちゃん」の幻影も見せて頂きました。そして、あくまでも片瀬那奈ちゃんの演技に関しての感想ですが、定評の在るコメディエンヌ路線で在りつつも随所でシリアスな味も出しているのです。未亜たん入魂の「RINA ヴァージョン DVD」を観ると「おいおい、やっぱ、片瀬クンは成長を止めないナァ」と思えました。「桜からの手紙」に続いて「AKB48」の「こじはる」こと小嶋陽菜ちゃんと共演されましたが、「こじはる」の役名は「NANA」でした。
「荒川アンダー ザ ブリッジ」7月27日〜9月28日放送
来年(2012年)2月に映画公開が控える「荒川アンダー ザ ブリッジ」のドラマ版は、「美男ですね」と同時期に放送されました。撮影はドラマと映画が併行して「2011年3月6日〜5月18日」に行われています。同名マンガが原作の此の作品で、片瀬那奈ちゃんは「マリア様」を演じていますが、マンガ原作でも独自の解釈で名演を遺している片瀬クンとしては近年では珍しく「原作に忠実なコスプレ演技」となりました。片瀬那奈ちゃんは多くの「マンガ原作ドラマ&映画」に御出演されましたが、「鉄板少女アカネ !!(2006年)」や「闇金ウシジマくん(2010年)」などが素晴らしかったのは、片瀬那奈ちゃんのオリジナリティが炸裂していたからでしょう。確かに「マリア様」も那奈ちゃんらしい怪演ではあるものの、どーにも「コスプレ・ショー」としか思えないのが不満です。「原作ソックリ!」って、アノですね、ドラマや映画は「ものまね番組」じゃないんだからさ。其れでも、那奈ちゃんがサインに「マリア様」と書いていたりするのは、とっても嬉しいのです。
「ボクら星屑のダンス」10月6日放送
公開順だと2011年最新作となった「ボクら星屑のダンス」は、2011年5月14日〜6月1日に撮影されました。片瀬那奈ちゃんは5月15日から5月末頃に参加された模様です。演じたのは「警察庁刑事局捜査第一課 特殊事件捜査室室長」の「木田敦子」で、完全なる「どシリアス路線」でしたが、もう役名だけで「バカウケ」してしまった挙句に、上司でこれまた「どシリアス路線」で決めたのが西村雅彦さんでしたので「笑うな!」と筒井先生に云われても爆笑してしまいましたよ。「どや顔」でスットコドッコイな司会を一緒にやらかしているお二人が「どや顔」で真面目に演技しちゃっているのですから、どー考えても「狙っている」でしょう。ドラマは駄作ですけど、片瀬那奈ちゃんの演技はとっても好いです。なんてったって、出番が多いのだよ。「美男」や「荒川」では、那奈ちゃんの出番が少ないのが最も不満だったのです。ズバリ云って、どんなにドラマ自体がつまらなくとも片瀬那奈ちゃんがいっぱい出ていれば楽しめるのですよっ。其れだけのパワーが、片瀬那奈ちゃんには在るのです。
イコ:おいおい、ホントに「回顧記事」やったのかよ。てか、どーゆー結論だよ。全く、未亜たんには論理性がないナ。
未亜:理論を超えるのが、那奈ちゃんですよっ。其れに姐御も手伝ってくれたじゃん。
イコ:でもね、今年の片瀬クンは司会とかも語らないと総括できないぞ。
未亜:おおっと、年末に姐御の「那奈ちゃんゾッコン☆LOVE」弾が爆裂ですね!
イコ:だからさぁ、、、もう、おまえが爆発しろっ。
(小島藺子/姫川未亜)