出演作:『美男ですね』(TBS)
放映日:2011年7月15日〜9月23日(金曜日 22:00〜22:54、初回2時間3分)
全11話 平均視聴率 9.9%(加重平均値で10.0%とする説もあり)
撮影日:2011年6月10日〜9月20日
映像作品:DVD「美男ですね 初回2時間スペシャル・エディション」(AVBF-49334)
2011年12月7日発売(TBS、エイベックス)
DVD「美男ですね コンプリートDVD-BOX」(AVBF-49335〜493340)
2011年12月28日発売予定(TBS、エイベックス)
2011年に限った事ではありませんが、片瀬那奈ちゃんの女優歴は「撮影時期」と「公開時期」にズレがあります。此の連載では「公開順」で綴っておりますが、2011年に公開された作品を撮影順で考えれば「ジーン・ワルツ(2009年11月頃撮影)」→「外交官・黒田康作(2010年10月〜12月頃撮影)」→「ザ・ミュージックショウ(2010年12月16日〜17日撮影)」→「恋する日本語(2011年1月26日〜27日撮影)」→「桜からの手紙(2011年2月撮影)」→「荒川アンダー ザ ブリッジ(2011年3月6日〜5月18日撮影)」→「J.LEAGUEプロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS(2011年5月頃撮影)」→「ボクら星屑のダンス(2011年5月14日〜6月1日撮影)」→「スジナシ(2011年7月9日撮影)」→「美男ですね(2011年6月10日〜9月20日撮影)」と推測されます。つまり、近作の公開順だと「美男ですね」→「荒川アンダー ザ ブリッジ(ドラマ)」→「ボクら星屑のダンス」→「荒川アンダー ザ ブリッジ(映画)」となりますが、撮影順だと「美男ですね」が最新作なのです。
此の「美男ですね」と云うドラマは、本放送と併行して再放送や再々放送も敢行されました。具体的には、第那奈話と第八話と最終回以外は再放送され、初回と第3話と第4話は再々放送までされたのです。そんな大胆な梃入れにも関わらず、数字は平均「9.94%」と低迷してしまいました。初回が二話分の尺だったので加重平均値で「10%」などとも云われておりますが、どっちにしろ低視聴率ドラマです。挙句の果てに、此の御時勢に「DVD」しか発売しないって何だ?其れも、初回はバラ売りで箱は二話から最終話までの収録って、どーゆー事なのでしょうかしらん。其れでは「コンプリートDVD-BOX」じゃないじゃん!初回は「2時間3分スペシャル」として放送されましたが、なな、なんと「Oh!どや顔サミット」とバッティングしてしまいました。結局、片瀬那奈ちゃん演じる「RINA」は「Oh!どや顔サミット」放送終了後に初登場したのですけど、納得がゆかない「裏技」です。
片瀬那奈ちゃんの役名が「RINA」で、共演した小嶋陽菜ちゃんが「NANA」役と云う「出オチ芸」もありましたが、片瀬クンが演じた「RINA」は磐石の出来だったとは思います。所謂ひとつの「コメディエンヌ路線」で、姐御肌な「おもしろいおねえさん」としての片瀬那奈ちゃんを披露しております。クランクアップとなった「美男(ホントは美子)」とのシーンなどでは「情感溢れるシリアス・モード」も魅せており、昨年(2010年)からの「コメディとシリアスを行き来する」リアリティがある演技となってはいます。但し、後に語る「荒川アンダー ザ ブリッジ(ドラマ)」にも云えるのですが、驚きが感じられないのです。其れは、決して出番が少ないからではないと思います。ドラマに関しては、再放送でも繰り返し語っている通り「柊の道」として、お気楽に楽しんでおります。片瀬那奈ちゃんの出番が少ないと、枝葉ネタに走るしかないのよさ。
2011年の片瀬那奈ちゃんは、例えば「外交官・黒田康作」や「ボクら星屑のダンス」ではシリアスな演技を魅せ、「ザ・ミュージックショウ」や「美男ですね」や「荒川アンダー ザ ブリッジ(ドラマ)」では御馴染みのコメディエンヌ振りを発揮しておりました。変幻自在に様々な役どころを演じられている様に観えますが、片瀬那奈としては「当然」としか思えません。本来ならば、最新作こそが「片瀬那奈の最高傑作」であるべきです。残念乍ら、あたくしには「闇金ウシジマくん」での「大久保千秋」を超える演技を観れたのは「スジナシ」だけでした。「RINA」役は、決してダメではないのだけど、片瀬クンにしては食い足りない印象なのです。2011年は「司会者・片瀬那奈」の時でした。司会やバラエティで弾ける片瀬クンが素晴らしく、女優としての活動に満足感を得られなかったのかもしれません。でも、片瀬那奈ちゃんは「こんなもんじゃない」のです。そして、其れは、あたくしが片瀬クンに「過剰な期待を抱いているからではない」と断言します。
「美男ですね」INDEX
(小島藺子/姫川未亜)