片瀬那奈ちゃんはサッカーに夢中になっておりましたが、あたくしは格闘技界が心配です。今年(2011年)の「プロレス大賞MVP」が「太陽の天才児」だった事は、もう「どーだっていいや」と思える程に「プロレス」自体が沈没してしまいました。昨年までは、大晦日と云えば「格闘技中継」だったのだけど、今年は「K-1」も崩壊し、遂に大晦日の格闘技中継は行われない様です。TBSがタケちゃんの特番でボクシングを中継し、何やら「ヒョードルX石井」も中継するかもしれないと云われております。テレビ東京でもボクシング中継が予定されているみたいですが、総合格闘技やキック・ボクシングの栄華は遠くなりにけりですね。そして、日本の国技とされる「大相撲」もガタガタになってしまいました。
日本のプロレスは、大相撲出身の力道山が始まりとされています。勿論、力道山の他にも例えば「元祖・グレーシー・キラー」の元・柔道家である木村なども活躍したのですが、力道山の「日本プロレス」に吸収合併されてゆき、天下統一となったのです。馬場も猪木も力道山の弟子ですから、日本のプロレスは力道山から始まったと云って良いでしょう。ゆえに、日本のプロレスには大相撲のしきたりが数多く残っています。其れで、昨今の大相撲のゴタゴタに便乗した書籍が数多く出版されておりまして、何冊か読んでみました。主に「八百長問題」に言及した内容の本を選んで読んだのですけど、面白かったです。特に新書の「大相撲は死んだ」と「新版「週刊ポスト」は大相撲八百長をこう報じてきた」は好かったナァ。図書館で借りたのだけど、古本屋で買って資料にしたいです。
そもそも「八百長」の語源が「大相撲」だと云うのですから、所謂ひとつの「注射」が無いわけがありません。そして「ガチンコ」と云うコトノハが存在するからには「ガチンコではない何か」があって然るべきとなってしまいます。お相撲さん出身同士のプロレス対決で、北尾がジョン・テンタを「この、八百長やろー!」と罵倒して試合放棄した事がありましたが、プロレスラーが自ら「八百長」と云うのは珍しかったと記憶しております。大相撲の八百長問題は随分と昔からメディアでも取り上げられておりましたが、協会は「そんなもんは、ない!」と突っぱねて来たわけです。其れが「野球賭博問題」で押収した携帯電話のメールから「動かぬ証拠」が出てしまい、今年(2011年)は春場所を中止し夏場所も技量審査場所として無料開催と追い込まれてしまいました。
其れで、あたくしが一番面白かったのは「週刊ポスト」が1980年に「八百長問題」を報じ始めた時に、当時の二子山理事(元横綱・初代若乃花)が「八百長相撲はない」と断言し、つづけて「(疑問を持つなら)逆にプロレスのことを説明してやればいい。あれはショーなんだ。」なんぞと云っているトコです。おいおい、相撲を立てる為に「いきなりだナァ」でプロレス蔑視ですか。初代若乃花と云えば、力道山の弟弟子じゃまいか。夜逃げしようとした若乃花を追いかけて部屋に連れ戻してくれたのは、兄弟子の力道山だと聞きましたよ。力道山がいなければ、後の横綱も理事長も無いわけじゃん。弟の貴ノ花も甥の若貴時代も、ぜ〜んぶ「無し」ですよっ。其れを、よくも「プロレスはショーなんだ。しかし、相撲は短時間の勝負だからね、なんたらかんたら」とか云えたもんですね。爆笑させて頂きました。
(小島藺子)