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2011年12月02日

「新・夢みる歌謡曲」FAKE 篇 #008
「RAINBOW(bootleg-3)」

over the rainbow


「妄想爆裂企画」の第八弾は、片瀬那奈ちゃんの幻のセカンド・アルバム「RAINBOW」の完成形に最も近づいたと云われる2008年の海賊盤をご紹介しましょう。其の存在が噂されてから沢山の関連ブートが作られましたが、初期はフェイクが多く、2006年の「RAINBOW(bootleg-2)」でもまだまだ全貌には程遠い内容でした。ところが、2007年の「THE PINK ALBUM」で「THE TELEPATHY SESSIONS」がフェイク音源なしで好評を得た事で、海賊盤業者も本気になってしまったのでした。


「RAINBOW(bootleg-3)」(2008年11月頃?)

01. PINK☆PINK☆PINK
(全編、片瀬那奈ちゃんのラップが炸裂し、テレパシー・ヴォイスのコーラスが絡む、驚愕の初登場音源!此れが「PINK☆PINK☆PINK」の正体だったのか?バッキングトラックは「wish be some one different」の主旋律をループさせたものです。)

02. EVERY***
(以前から発掘されていた「EVERY***」の別ヴォーカル・ヴァージョンですが、音質も向上し聴いた事のないアウトロが加わっています。過激なインストが続き、再びコーラスが絡み、次の「ANGEL」へメドレーで繋がっています。)

03. ANGEL
(以前に発掘されたのは「赤道小町ドキッ」のカヴァーでしたが、此れは全く別の楽曲です。片瀬那奈ちゃんによる多重コーラスのアカペラで、賛美歌の様に美しいメロディー。)

04. So Cool(a bit more of wish be some one different)
(「ANGEL」のコーラスに被さる様に始まる此の曲は、以前のブートでは「a bit more of wish be some one different」と呼ばれていた音源です。)

05. Bon Voyage !
(「So Cool」のループが唐突に途切れると、すぐにアコースティック・ギターの弾き語りで此の曲が始まります。以前のブートでは松田聖子さんのカヴァーでしたが、今回は初登場の全く違うオリジナル・ロッカ・バラッドです。片瀬那奈ちゃん一人による弾き語りだと思われます。)

06. it's my style
(「MY LIFE」を大胆にリミックスした音源で、ほとんど原型を留めておりません。「DJ/NANA」によるリミックスでしょう。)

07. FACES
(此れも驚きの未発表音源で、カラフルでポップな片瀬那奈ちゃんらしい楽曲です。「Babe」と「bash」を「足して弐で割らない感じ」の傑作!シングル・カットすれば大ヒットしていたでしょう。)

08. wish be some one different
(「RAINBOW」関連では早くから流出していた此の楽曲の、新たなる発掘音源です。「PINK☆PINK☆PINK」や「So Cool」にも使われたメロディーが変幻自在に織り込まれ、効果音も加えられた幻想的な作品です。)

09. TOKIO GIRLS
(これまた初登場音源!テクノ・ポップのパロディの様な可愛い楽曲で、片瀬那奈ちゃんのヴォーカルはロボットの様に変えられていますが、なな、なんと電気式に処理したのではなく生歌です。)

10. Aftermath
(弦楽四重奏によるインストで、「wish be some one different」の主旋律が奏でられます。コーラスが重なり、犬の鳴き声が遠くから聴こえ、次の曲へ繋がっています。)

11. Looking For You
(犬の鳴き声が近づき、ピアノの音で消えます。そして、ピアノとウッド・ベースのみの演奏で「for you」が歌われます。三声で歌われますが、ライヴ感があるので片瀬那奈ちゃんの多重コーラスではない様です。ピアノとコーラスは、おそらく星村麻衣ちゃんだと思われますが、もう一人は誰なのでしょう。)

12. The code for Flowers
(バッキングトラックのみが流出していた楽曲の完全版です。かなりサイケデリックな作品で、シタールなども使われています。1967年頃のサイケデリック・ロックとプログレ・ハウスを融合した様な摩訶不思議な楽曲で、片瀬那奈ちゃんのヴォーカルも独特の浮遊感があります。)

13. RAINBOW DREAM
(遂に発掘された完全版の名曲!此のクラシカルでしかも電気式でもある壮大な作品が「正式発表されていたなら!」と思わされます。静かなバラード調で始まり、中間から怒涛の目まぐるしい展開で盛り上がり、最後は「wish be some one different」の主旋律のコーラスが波の様に重なってゆきます。文句なしの大傑作!)

14. Necessary
(最後は、此れも遂に発掘された別ヴァージョン!シングルとはヴォーカルも演奏も別テイクです。そしてエンディングでは「RAINBOW」の収録曲が幾重にも重なり感動的なシンフォニーとなって消えてゆきます。)


噂されていた「RAINBOW」の曲順通りに再現された此のブートレグは、衝撃的でした。全14曲がメドレーの様に連なる構成で、完璧なトータル・アルバムであり、しかも独立した楽曲としても名曲揃いの素晴らしい内容です。2008年当時には、片瀬那奈ちゃんが「SBK」のアルバムに参加して久しぶりに音楽活動を公にした事もあり、此の「RAINBOW(bootleg-3)」はブートレグとしては記録的なヒットとなりました。其れを受けて、遂に公式盤が発売されるとの告知が一部であったものの、結局は発売中止となってしまいます。ゆえに此の「RAINBOW(bootleg-3)」は、マニアの間では普通に「RAINBOW」と呼ばれています。つまり、此れが決定版だと認識されたのです。然し乍ら、何ゆえに此処まで完成形に近い音源が流出したのか?との「謎」が残りました。手掛かりとして、此の音源は最初にCDRで流出しましたが、其の「白盤」には小さく手書きでこう書かれていました。

「rainbow dj n-mix」


(小島藺子/姫川未亜)



posted by 栗 at 02:50| YUMEKAYO | 更新情報をチェックする