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2011年10月06日

「ボクら星屑のダンス」

ボクら星屑のダンス (角川文庫)


テレビ東京 21:00〜23:08

(撮影:2011年5月14日〜6月1日)←下山監督情報

■ キャスト

 高橋克実:浅井久平
 宮武祭:ヒカリ
 宮武美桜:浅井理美
 若村麻由美:浅井美佐子
 螢雪次朗:浮田藤治郎
 デビット伊東:坂谷隆盛
 村川絵梨:清水唯
 本田博太郎:小野田武彦
 橋爪功:広岡謙二
 西村雅彦:江藤俊也
 片瀬 那奈:木田敦子
 、ほか

■ スタッフ
 原作:佐倉淳一「ボクら星屑のダンス」
 脚本:田子明弘
 監督:下山天
 音楽:吉川清之
 製作:テレビ東京、BSジャパン、角川映画



今期(2011年10月期)の連続ドラマにはレギュラー出演されないと思われる片瀬那奈ちゃんですが、スペシャルドラマに出陣です。但し、片瀬那奈ちゃんは常に多くのドラマや映画に引っ張りだこの状態ですので、最近の作品では「荒川アンダー ザ ブリッジ」が今年の3月から5月に掛けて撮影され、「美男ですね」は6月から9月に撮影されたと思われます。そして此の「ボクら星屑のダンス」は、5月下旬に撮影されました。つまり撮影順だと「マリア様」→「木田敦子」→「RINA」となります。そー云えば、5月下旬頃の「マネ日記」では盛んに「秘密の作品」が話題になっておりましたが、毎度の事ですが「謎掛けだけして、答えは知らんぷり」で御座いました。押っ取り刀で本日に明かしたものの、事前告知番組(当ブログ既報通り、片瀬那奈ちゃんのインタビューや番宣告知映像もアリ!)はスル〜と、相変わらず「間抜け」です。

「美男ですね」と「荒川アンダー ザ ブリッジ」の放送が同時期(2011年7月期)だったゆえに「片瀬クンはコメディ路線ばっか演じて居る」と此処でも書いて参りましたが、そんなわけないじゃん!だったのだ。予告を観ても「どシリアス」としか思えない「木田敦子」を、同時期に演じられておられたっ。共演者には「デビット伊東さん」や「螢雪次朗さん」等の「過去にコメディ路線でもシリアス路線でも共演歴が在る」役者さんが揃っています。何よりも「西村雅彦さん」が上司役を演じられるだけでも「恐るべき挑戦」でしょう。「熟年離婚(あたくしにとってアレはコメディです)」や「どや顔」で御馴染みのお二人が、ガチンコの「どシリアス」演技で絡む姿を想像しただけでワクワクしますよっ。期待度マックス!皆々様、刮目して待ちましょうぞ。

主演の高橋克実さんとはバラエティでの共演は在りましたが、俳優としては初共演となります。もう一人の主役である宮武祭ちゃんは「歌のおにいさん(2009年)」でマカロンキッズのニーナを演じておりますので、再共演となります。前述の通り、他の主要キャストも「カタセカイ住人」が犇めいて居ります。そんな中でも、繰り返しますが片瀬那奈ちゃんと西村雅彦さんを今キャスティングされた英断には天晴れと云いたいっ。「相撲はお相撲さん、お相撲さんは相撲」と云われるが如く「役者は役者さん、役者さんは役者」なのだ。此処で観られるのが、片瀬クンと西村さんの本当の姿です。

片瀬那奈ちゃんが演じた「木田敦子」は、予想通りの「どシリアス路線」でした。凛々しいスーツ姿は「ブラッディ・マンデイ(2008年)」や「外交官・黒田康作(2011年)」を想起させます。出番も予想以上に多く、物語にも大きく関わる役どころです。云わば現時点での「片瀬那奈シリアス路線」の集大成とも云うべき渾身の演技でしょう。同時期に「マリア様」を演じていたとは俄かに信じられない程の変貌です。ドラマはコメディ路線ばかりと続いた後で、此の演技が観れたのは嬉しいです。「マリア様」と「RINA」の狭間で此の役柄を演じられた片瀬クンには敬服致します。然し乍ら、片瀬那奈ちゃんにとっては御手の物とも云えるのです。コメディもシリアスも演じ分けられる片瀬那奈ちゃんは素晴らしい。でも「只、其れだけ」なのだ。片瀬クンのシリアス路線での高見は、未だもっともっと上でしょう。

ファンとしては、準主役とも云える程に片瀬那奈ちゃんの出番が多かった事実だけで満足です。何故なのか分かりませんが「ピッチピチ」のスーツ姿だったのも「サービス満点」だったと思います。シリアス演技乍ら時折魅せる表情に「流石、片瀬那奈」とも思わされましたし、今年(2011年)の片瀬那奈ちゃん出演ドラマでは、最も納得がゆく作品でも在りました。でもですね、片瀬クンはこんなもんじゃないのよさ。普通にこうしてシリアスな演技も出来るけど、もっともっと幅が広いのです。其の振幅の広さゆえか、最近の片瀬クンは振り幅が大きくなって「コメディならコレ!」とか「シリアスならコッチ!」と、些か過剰になって居られる気がします。コメディ路線の場合は、正直に申しますと「片瀬クンのノリに他の連中が付いて来れない」のですけど、一般的には「片瀬那奈が浮いている」とも映る様です。ところで「ボクら星屑のダンス」の物語は、ミステリーと云うよりも「SF」だと思いました。てか、ズバリ云って、「片瀬那奈ちゃんがいっぱい出ていたドラマ」として記録されるドラマでしょう。異論は認めますが、此処では其れが全てでした。手厳しい評価かもしれませんが、そう思うのです。「悪くは無い、でも片瀬那奈ちゃんが出ていなければ観ていない」ってトコです。

そんでもって、片瀬那奈ちゃんの演技は好かったですよ。普通にシリアスな演技も、難なくこなせて居ります。本当にキチンと収まって居る。でもですね、其処が気に入らないのだ。何でも出来るってのは好いのだけど、片瀬クンの場合は「器用貧乏」と思えるのです。コメディもシリアスも見事に演じ分けられる才能を、是非とも次の段階へ進み開花して頂きたい。今年(2011年)の片瀬クンは「コメディはコメディ」で「シリアスはシリアス」と余りにも分かり易く演じて居られる。其れは演出家の責任でしょうけど、納得がゆかないっ。どちらも内包する演技を魅せられるのが「片瀬那奈」です。「マリア様」から「木田敦子」で「RINA」の流れを観る時、あたくしは「女優・片瀬那奈の停滞」としか思えないのです。申し訳在りませんが、期待はずっと大きいのだ。


(小島藺子/姫川未亜)



「ボクら星屑のダンス」テレビ東京公式サイト


posted by 栗 at 23:17| ACTRESS | 更新情報をチェックする