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2011年09月23日

「ポールはうっかり調子に乗るのだ」

1 (Remastered)


ビートルズの「1」がリマスター再発されて、一寸嬉しい噺もありました。其れは「ベストヒットUSA」で二週続けて彼等のプロモーション映像が流された事です。小林克也さんも熱弁されておりましたが、通常ならビートルズの映像は簡単にはTVで流せません。今回は「1」が出たから宣伝で特別に放送許可を得た様です。其れですら「フル・ヴァージョンで流すには結構大変だった」と語られておりました。PVはレコードを売る為の宣伝媒体としての役目が大きいはずですが、ビートルズの場合は「別にPVなんか流さなくとも、バンバン売れ捲くるもんね」てな感じなのでしょう。

其れで「LET IT BE」と「ALL YOU NEED IS LOVE」が二週に渡ってそれぞれ完全版で放送されました。どちらも首位を獲得した代表曲なので、当然「1」にも収録されています。然し乍ら、其処は天下無敵のビートルズですから「PV」は別ヴァージョン音源なのだ。まず、「LET IT BE」は「take27」で、此れは以前も書きましたが「take27」は二回続けて演奏されています。其の内の最初の演奏「take27-1」がシングルやアルバムでのヴァージョンの元になりました。プロモとして流れたのは二回目の「take27-2」で、此れは映画「LET IT BE」で使われた映像と音源を元にしています。ポールがエンディングで「れりびーいぃーへへへい!」と調子に乗る歌い方の差で、両者の違いは簡単に判別出来ます。挙句にジョージのリードギターがダビング前の「丸裸状態」ですから、リマスターされた「1」(シングル・ヴァージョン)との違いは歴然でしょう。

「ALL YOU NEED IS LOVE」の方は世界同時衛星生中継された「Our World」の映像を元にしています。公開レコーディングと云われましたが、実際にはベーシックトラック(take10)に合わせて演奏され、ヴォーカル、ベース、リードギター、ドラムス、オーケストラが生録です。ならば、此の音源は「1」に収録されたシングル・ヴァージョンと同じかと云えば違うんですね。公開録音後にジョンのヴォーカルとリンゴのドラムロールが加えられ、シングルになるのでした。更に、現在プロモで観れる映像は総天然色ですが、元々はモノクロ映像です。映像版の「アンソロジー」を出した時に、CGでモノクロ映像を着色したのです。こちらの映像でも調子に乗り捲くるポールが観れますが、生中継のプレッシャーからガムを噛みながら目を閉じて冷静に歌っていたジョンも、エンディング間近では「天然莫迦」ポールに釣られて大騒ぎしているのが微笑ましいですね。

「ビートルズのプロモ映像が放送される」となると血眼になって「エアチェックだっ」と色めき立つファンが多いのは「なかなか放送されない」との希少価値もありますが、単に同じプロモを何度もリピートしているわけではないからでもあります。今回の「LET IT BE」と「ALL YOU NEED IS LOVE」は、未だ詳しく検証しておりませんが、やはり「どうも何か違っているんじゃまいか?」と思わされました。二週と云わずに、折角だから「27曲」全部を半年掛けて放送して欲しいナァ。てか、アップルは映画「LET IT BE」と「PV集」をさっさと出しなさい。


(小島藺子)


posted by 栗 at 18:04| FAB4 | 更新情報をチェックする