![劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル 超完全版 (2枚組) [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61NAk35OVsL._SL160_.jpg)
出演作:『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』(東宝)
公開日:2010年5月8日
映像作品:DVD「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」(東宝)
2010年11月26日発売
此の連載「怪優・片瀬那奈・進化論」は、基本的に時系列に準じて片瀬那奈ちゃんが演じた役柄を考察しています。但し、其の「時系列」とは「作品が公開された順番」って事でして、同時期に沢山の役を演じ分けておられる片瀬那奈ちゃんのリアルタイムとは大きく異なる場合もあります。
特に近年に公開された映画に関しては、全てが撮影は「2009年」に行われておりましてですね、撮影時期と公開とは隔たりがあります。此の作品も「裁判長!ここは懲役4年でどうすか(2010年公開)」も「ジーン・ワルツ(2011年公開)」も、撮影は「2009年11月頃」と云われておりまして、其れよりも凄いのが此の三本がほとんど同時進行で演じ分けられていた事実でしょう。
ゆえに、これらの映画作品は撮影順ならば「浅見光彦〜最終章〜(2009年)」と「泣かないと決めた日(2010年)」の間に挑まれたのです。つまり、当時の片瀬クンは江角姐御の代打で「グータンヌーボ」のMCを担当したり「よーこそ、ジョージアへ」と小出恵介クンをたぶらかしていただけではなかったのだよ。と云う事は、未だに正体不明の「新マネくんから交代した謎マネさん」が「マネ日記」で示唆されておられる様に、2011年春の片瀬クンも週二回の司会業だけではなく、新たなる「秘密の作品」でトンデモな演技をされているのでしょう。
さて、大人気シリーズの映画版に抜擢された片瀬クンですけど、堤カントクとは因縁浅からぬ仲ですので、いえ、ズバリ云って此の作品へ片瀬クンが出演されたのはですね、
「堤カントクの罪滅ぼし」
だと、あたくしは断じます。其のチャンスに、僕らの片瀬那奈ちゃんは「この上ない怪演」で臨まれました。兎も角、もう佇まいだけで「変」な役どころ(ま、「インチキ霊能力者のひとり」なわけだが)を、嬉々として演じております。結構へんちくりんな役柄を演じる機会が多い片瀬クンですが、此処まで「出落ち」なキャラはなかったですね。只立っているだけでもおかしいし、いちいち変なポーズを取る所作が完全にイカレてます。どーせなら、ドサクサ紛れに「シェー!」までやらかしそうなモードで、
「片瀬那奈ちゃんは、何でもアリ!」
を改めて証明して下さいました。
同年の傑作「闇金ウシジマくん」での「大久保千秋」で念願叶って披露された「津軽弁」とはビミョーに違う「怪しげな東北訛り」も含めて、最早「妖怪」の域に達した渾身の化け方には、「ハルク・ホーガンに斧爆弾をくらった猪木」の如く舌を巻きました。ま、映画は大して面白くなかったんですけど、片瀬クンは最高に面白かったです。
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(小島藺子/姫川未亜)