w & m:LENNON / McCARTNEY
P:ジョージ・マーティン
E:ジェフ・エマリック
2E:リチャード・ラッシュ
録音:1967年3月29日(「Bad Figer Boogie」take 1-10、take 10 を編集し take 11、
take 11 に SI 「歌」)、
3月30日(take 11 に SI 「ギター、タンバリン、ベース、コーラス」)
MONO MIX:1967年3月31日(take 11 より 1-15)
STEREO MIX:1967年4月7日(take 11 より 1-3)
1967年6月1日 英国アルバム発売 (「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」 A-2)
パーロフォン PMC 7027(モノ)、PCS 7027(ステレオ)
リンゴ用にレノン・マッカートニーが書いた楽曲です。基本的にはポール・マッカートニーが書いたと思われますが、何故か「リンゴの歌」だとジョン・レノンもノリノリで協力しますので、此れは合作でしょう。解散状態になった1973年に発表されたリンゴのソロ最高傑作「RINGO」の冒頭を飾ったジョン・レノン作の「I'M THE GREATEST」では歌詞に「そうさ、俺様はビリー・シアーズだ!おまいら前から知ってるだろ?」と此の曲の続編となっておりますし、演奏するのも「ジョン、ジョージ、リンゴ、ビリー・プレストン、クラウス・フォアワン」と「ポール抜きのビートルズ」になっておりましてですね、当時は「ポールの代わりにクラウスを加えて再結成か?」なんて噂されていました。
アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」は、最初のテーマ曲から此の曲へとメドレーで展開した時点でイメージを決定されてしまいます。架空のバンドである「SGT. PEPPER'S LONELY HEART'S CLUB BAND」のテーマ曲のオチが、ビリー・シアーズことリンゴ・スター如きのバック・バンドだと云うレトリックが凄い!其れで此の後に延々と「ビリー・シアーズ(リンゴ)」のショーが展開されたなら困ってしまうのですけど(其れをやったのがアルバム「RINGO」で、其れは大成功しちゃうわけだが、、、)、ビートルズは架空のバンドになりすまして、今までとは全く違う世界を提示したかったのです。其の為に、敢えてテーマ曲から主役をリンゴへと云う「あっと驚くタメゴロー」な裏技で来たわけですよ。次につづくジョンの「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」からは全く別の意味合いを持つ楽曲が連なるのに、冒頭のメドレーですっかり誤魔化されてしまうのでした。
リンゴの実演には、1995年の来日公演に行きました。亡くなったジョンは観れなかったけど、ポールとジョージは観れたので「リンゴも観とくか」って気分で、今は亡き「NKホール」へ足を運んだのです。会場は六分の入りで、アリーナ前方の客だけが異様に盛り上がっていました。あたくしは二階席で、ガラガラなのよさ。二階席の客を数えられた位ですからね。大体、あたくしもリンゴよりもオールスター・バンドの面々(其の時は、ビリー・プレストン、フェリックス・キャバリエ、マーク・ファーナー、ランディ・バックマン、ジョン・エントウィッスル、等)がお目当てだったのです。だってさ、リンゴはハンドマイクでタコ踊りしながら宴会芸みたいに「いえろ、さぶまりん!パンパン、いえろ、さぶまりん!」とかやってんですよ。ところが、アンコールで「おまえらも一緒に歌えよ、げへへ」なんぞとぬかして、此の曲を演奏しやがったわけです。「仕方無いナァ、最後くらいは盛り上げましょうか」と一緒に歌い出した途端に、あたくしは突然に何かが込み上げ、号泣して歌えなくなってしまったのです。
「流石、ビートルズ!」
(小島藺子/姫川未亜)